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三秒前と、お別れしよう  作者: 優衣羽
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世界は変わらない


誰かの作った世界に生きていた



久し振りに三秒前を書く。ついでに言うと久々にこのパソコンを触る。書く事から少し、遠ざかっていました。どうもこんにちは。でも生きています。


世間は猛暑にやられて死んでいますが、僕は相変わらず外に出ていません。まあ、これで最後だから許して欲しい。


何をしていたかと言われると、特に何かしていたわけでもなく。誰かの作った世界の隅で息をしていました。この世界が誰かの創造の産物だとするならば、僕も登場人物の一人になるだろう。しかし、大した役割を持たないまま終わるのは鉄板だ。


空想は思いの外伸びませんでした。読んでくれた方々ありがとう。好きな事を詰め込んだだけの作品はこうなるということを改めて知って、書く事って何だろうなと思いました。好きな事を書くのが創作ならば、それが多くの人に届くのならば、僕はその創作に嫌われた事になるのではないかと考えていました。しばらく書きたくないなとも思いました。言葉一つも貰えない自己満足って、君が思っている以上に酷だ。心臓を締め付けられて足には重りを課せられたみたいになる。


それを知っていたから新しい作品を書くというプレッシャーが凄かったんだけど、いつまでも過去に浸ってはいられないので僕がド底辺小説家という肩書を捨てなくてはいけない日まで精々足掻こうかなと思います。誰かの言葉に傷つけられて一喜一憂するのはもう疲れたので。


世間は僕が思っている以上に冷たくて、人は僕が思っている以上に温かかったりする。年々、君が薄れていくように人への信頼も薄れていくのは言わなくてもいい話だが、こうやって一人になっていくのだろうと思いました。長期休みになる度に、僕には友達がいないんだという事を痛感するし、だからといって無理に合わせる気にもなれないから、そこなんだろうなと思います。


自分から誘わなければ出かける予定は出来ないし、誘っても予定が合わなかったりして、僕この先本当に大丈夫かなと笑ってしまいます。そういう所あります。でも、ザ陰キャラなわけでもないし、オタク趣味につぎ込んでいるわけでも、書いている事を公にしているわけでもないから中々似たり寄ったりの友人が出来ないのも事実です。


僕は、完全に同じ趣味を持っている友達は別に欲しくないのです。何言ってるか分からない?簡単に言えば同じように書いている友人は別にいらないのです。書く行為は僕にとって誰かと馴れ合いながらやるものではないので、お互い読み合ったり指摘しあったりするのが嫌いなんです。相手の自慢を聞くのも、自分の自慢を話すのも嫌。文章は、僕一人で創り出すものだから。


ゲームは好きだし学生時代からの友人と共にするのも好きだけど、無理に新しい人とやるまででもないし、基本一人でやりたいのです。そう、何だかんだで僕は僕の世界を邪魔する人間が好きではないので結局一人になるのです。面倒だね。


空想が終わって。相も変わらず変化はなく。私生活でも書く事でも劣等感の塊な僕はとち狂って夏の夜に一人歩き始めました。僕を知らない人だらけの空間で酒を煽ってやろうと。消えてしまいたいと。夜の雲が高いのと同じように、僕の命も遠く高い所まで飛んで行って欲しいと思いました。死にたいわけでもないけれど、生きたいわけでもないっていうのはずっと昔から変わらぬスタンスです。


そしてとあるお店に辿り着いた僕は、自分がしたかった未来の理想を見つけました。お金はあればあるほど魅力的だけど、僕はただ、人生に意味を持たせたかったのです。物心ついた時から、自分がいる意味を見出せなかったのです。僕がいなくても世界は回る、僕がいなくても家族は幸せ、僕が書かなくても誰かが書く、ずっとそう思い続けていました。僕がいるから無駄な出費が増え、僕が書くから誰かの真似と言われ、僕がいるから人一人分の無駄が出来る。


何で生きているのだろうとか、何で善人は死に悪人は生き残るのだろうとか、大切にされた人が死んで空気のように淀んだ僕らは当たり前に生きているのだろうと思ってます。神様って不公平だよね。多分今はこれだけ言っている僕が幸せに包まれた瞬間に殺すんだと思います。


大切にされている人が死ぬって何だろうって。誰かに命を奪われるって何だろうって。それをただ傍観している何の力を持たぬ僕らの方がよっぽど悪人なのではないかと考えてしまう僕もここにいます。


そのお店は何十年も続いている趣味で始めた料理店でした。家族で楽しく、素敵な人たちの話を聞いて、ああ、僕多分こういう事がしたかったんだと思いました。


例えお金が少なくとも、好きな土地で、好きな事をして、ただ緩やかに生きていくのが希望だったんだと思いました。


人生まだ先は長いんだからと多くの人に言われるけど、僕にとって今が全てです。先の事なんて想像出来ないし、大切な人は簡単に死ぬから今この一瞬の選択を間違えれば二度と会わなくなるという事も経験しました。今が思い出になるまで、どのくらいの時間がかかるか分かりません。この手で掴めなかったものばかりです。僕の選択のほとんどは間違えているし、唯一正解だった事と言えば、コンテストに応募したことくらいです。


世界が変わればいいと言いながら、僕が出来る事はたかが知れていて。影響なんて何もなく。例えば僕がビルの屋上から「日本人の主食は米ではなくペスカトーレになれ!」って言って自殺しても誰も変わらないでしょう?そんなもんです。


この主張はかなり横暴だけどそんなものなのです。ニュースで流れた意味の分からない言葉を、僕らは見て聞いて馬鹿にして忘れていくでしょう?その中に真実が紛れ込んでいたらいつまで経っても誰の元にも届かないのです。


ポジティブシンキングになりたいなと思いながら、そうなったら僕は死ぬなと思ってしまう矛盾も抱えています。これだけ書いてて信じられないかもしれないけど、書いてない時の僕は滅茶苦茶面白くて前向きです。書く事が僕の心をおかしくさせているのも、もうずっと前から分かっているんだよ。


それでも辞められないのは、この手が動き続けるのは。僕が創作という魔物に魅入られて狂わせられたからなのでしょう。僕の心が折れてしまうまで多分永遠と書き続けるし忘れ去られても一人で何かを作っていると思います。世界の理不尽と向き合って文句を零していると思います。


だから安心してください、まだここにいます。


いつか僕がいなくなった日に、あの時伝えていれば良かったとか、そんな後悔を抱く人がいればいいなと思う僕はかなり性格が悪いのかもしれません。


それだけのお話です。

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