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三秒前と、お別れしよう  作者: 優衣羽
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肯定していて


歩き続ける話



終わった後で。皆見てくれたかなー?と某子供番組のような聞き方をします。多分、この数日でアクセスが一気に増えたので見てくれたのだと思っています。それと同じくらい他作品も見てくれればなと思ってますがしゃあないね、気ままに行きましょう。


さて、突然ですが皆は自分に自信がありますか?


僕は笑えるくらいありません。本当にないです。別に顔面偏差値がとてつもなく低いとか、滅茶苦茶友達がいないとかそこまででもないんですが、基本ありません。でも、日常生活ではそれを出す気はなくて普通に生きてるんですが、書き始めると僕は自分の欠点ばかり見つけて嫌になったりします。


どうしてここまで自信がないんだろう?と色々考えてみたんですが、多分、僕日常生活において自分を肯定してくれる人があまりいないから隠して自信あるように笑ってるのではないかなと思いました。あ、全然病んでません。


僕は昔から面白いことが好きで、気ままに生きてます。今も変わらずに。可能な限り周りの人は笑わせたいし、しんどいことは共有したくないタイプなのですが、それが裏目に出てあいつは悩みがないとか、何言ってもいいんだと勘違いされることが多々あります。自分の方が不幸だ、お前の悲しみなんて大したことないだろとマウント取られたことも多々ありました。そんな時、僕は大体口喧嘩で勝つのですが、帰って一人で泣いてました。


悩みがない人なんているわけがない。コンプレックスがない人間なんているわけがない。どうして皆比べたがるのだろう。相手より自分の方が不幸だと言って、大袈裟に悲しんで見せるのだろう。同情を狙うのだろう。僕の周りにはそういう人ばかりでした。今でもそういう人ばかりです。そうでない人は片手で数えられるくらいです。


僕は疲れてしまいました。特別優れていたわけでもない、特別容姿が目を引くわけでもない、その辺に歩いていたら分からないくらい普通の人です。でも何故か僕は事あるごとに目立ちました。意味が分からないんだけど、何故かいつも問題に巻き込まれて渦中にまで連れていかれました。僕が一切関係のない事でも飛び火を食らいました。その時言われた酷い言葉を忘れる事はありません。その時された仕打ちを、態度を、忘れる事はないし何だったら僕もほどほどにやり返していた時があったのでお互い様なんだけど。まあ、色々ありました。


いじめられた事もあったし、絡まれた事、騙された事、裏切られた事、人の醜い部分をたくさん見てきました。でも学校を休まず行けたのは間違いなく僕の精神が図太かったからでしょう。それと家にもいたくなかったからだと思います。


色々なことがあって、色々なことを言われて。僕は自分の存在価値って何だろう?と考え続けていました。答えはまだ見つかってません。十年以上この問題に向き合っている気がします。家にいれば兄弟と比べられ、学校に行けば陰口を言われ。でもどちらも僕の前でいい顔をするから、何だか嫌になって一人でいる事がすきになりました。そしてずっと、ノートに空想を書き続けました。その空想は、僕が主役の物語でした。多くの人から愛されて誰かを救って、大義を成すような有り触れたストーリーが僕の心の救いでした。


そうして僕は笑う事を覚えました。笑っていたら誰も攻撃を仕掛けてこない事に気付いたからです。おどけて笑って適当に流していれば、傷つくことは減りました。今は好きでふざけているけれど、始まりは弱く自信のない自分を隠すためだったのです。


短いようで長い時間の中で、僕は色々な人の顔を見てきました。人は基本信用しないスタンスは今も変わっていませんが、変わったのは傷つけられる前に逃げられるようになったことです。昔は自分を傷つけてくる人の前に立って応戦していた僕は、ようやく逃げていいのだと悟りました。だからこそ、可能な限り人とはあまり付き合いたくないのかもしれません。色々あったから。色々あったからって便利な言葉だね。


そんな僕ですが、今は自分の体形が一番自分の中で自信があって、自分の才能が一番自信がないまで成長しました。顔も容姿も、努力で何とかなるものです。何とかしようと思えば何とか出来ました。けれど、作品を作るようになって、僕は必ず自分の無力さに気付かされます。全然出来ない、書けない、待ってる人がいる、もしかしたらいないのかもしれない、この作品は面白いのか分からない、自己満足だって分かっているのに、下手くそ、最低、下種、このままでは誰かの真似になるかもしれない。そんな事ばかりが脳内を巡っては消えて、それでも書き続けています。僕は僕の作品に、一番自信がありません。


だからいつも新しい作品を書く時は不安で不安で仕方がないです。嫌になってパソコンすら触りたくない日がよく来ます。完璧じゃなきゃいけないなんて誰も言わないのに僕が自分で自分の首を絞めてるだけなのです。そう、全てはこの一言で集約されます。馬鹿なのです。


そんなお馬鹿さんなのですが、どうしても書きたくて書けなくて葛藤する日々があります。というか活字を読まない僕が活字を書いてる時点で褒めてほしいくらいです。


それでも僕が書き続けるのは止まりたくないからです。立ち止まったら、もう歩き出せない事に気付いているからです。歩き出せる人もいるかもしれませんが、僕は無理です。絶対にそこから先に行けなくなることを分かっているから、どれだけ辛くても歩いています。


さて、僕の存在価値は何だろう?という問いの答えは、まだ僕にも分かりません。何か大きなことを成すかもしれません、成さないかもしれません。そんなの、今はまだ分かりません。でも、僕の作品を読んで少しでも何かを思ってくれる人がいたのなら、それが意味なのではないかと思います。


これを読んで少しでも何言ってんだこいつって笑った人がいたのなら、それが意味なのではないかと思います。それくらいでいいのです。


人には色々な過去があります。それがあったからこそ、今が形成されているのです。だから、僕は僕の過去を否定することはしません。否定したら僕が嘆き悲しんだあの日々は無駄になるから。


だから、君もどうか自分の過去を肯定してください。思い出したくもないようなことがあったとしても、君だけは否定しないであげてください。


くだらないと思っていた過去が、今形になり世に出る事だって有り得る話だったのだから。

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