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三秒前と、お別れしよう  作者: 優衣羽
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桜流しと僕のお話


桜流しだって、君は言ってくれるだろうか



連日気候の上がり下がりが酷くて、雨が降って桜が咲いてと繰り返していましたが。関東は実は桜流しが始まっていることを、雨上がりの朝に気づきました。

散った花びらが川に流れ、岩の周りに張り付いて花筏を作り、風と共にそれが舞い上がる。人それぞれ色々な見方があると思いますが、僕は淡い桃色の隙間から除く晴天を見るより、岩や川べりに積もりに積もって透明な水を覆いつくし、風と共に飛沫と宙に舞う桜が好きです。多分上を向いて眺め続けるような、明るい奴じゃないからかもしれないけど、下の方が好きです。


歩く道が彩られていたら。一歩踏み出すだけで舞ったら。それだけで充分だと思っているのです。お察しの通り、桜は満開より三、四割くらい散った時が一番好きです。明日も寒くて、下手したら雪が降るのかもしれないとニュースでやっていたから、桜流しが加速するかもね。



毎週毎週、色々な方から声を頂けて。嬉しいので、返信するのですが。大抵スマホをいじっている時にご連絡いただくので、まるで僕がずっとスマホいじっているみたいになってて笑えます。そこまでしてません。


一つだけ言いたいのは。もっと上手に伝えられたらとか、届いているか不安だとか、そんな風に言ってくださる方が沢山いるのだけど、ちゃんと伝わってます。届いてます。貴方の何気ない一言が、勇気を振り絞って言ってくださった言葉が、確実に僕を救っていることを忘れないでください。

必要なのは、才でもなく、内容でもなく、届けたいと思ってくれて行動してくれた勇気です。顔も知らない誰かまで、考えを伝えるまでに至ったその思いです。それが僕を、この作品に関わってくれた多くの方々を救っているのだということを忘れないでください。君の一言は世界を変えるには十分ではないかもしれないけど、君の一言は誰かの背中を押すのに充分過ぎる言葉です。ありがとう。



今までも。これからも。僕は僕と向き合ってくれた人には、真摯に向き合っていきたい。思いには思いで返したい。それだけでここにいます。誰かに言葉を返しています。ここで書き続けています。それは学生だからとか、こういう立場だからとか関係なく。僕が僕として生きてきた二十数年の中でたどり着いた一つの解答です。


だからたまに、同じ立場だからとか、同じ学生だからとか仰ってくれる人がいるんだけど、多分全然違います。僕君みたいにちゃんと勉強してきたわけじゃないから、全然違う人間です。何だったらヒトモドキです。


何かノリで書いたプロフィール欄の学生って所に滅茶苦茶突っ込まれるからびっくりしてます。そっちじゃなくてペスカトーレの方をいじってくれと心底思っている状況です。


ちょっと僕の話でもしましょうか。

僕は君たちみたいに普通の学生生活を送ってきたかと言われれば定かではありません。少なくとも大学生になってからは全く違う歩み方をしていると思います。恋にうつつなんて抜かしもせず、恋愛化石は上等文句。勉学に励み続けたわけでもなく、好きなことだけ見識を深めて、バイトはくそみたいな人間関係で辞めたりもしてるし、ただ、一人部屋の片隅でパソコンに向かい続けている時だけが楽になれました。


たった一つのくだらない後悔だけを抱き続けて早数年。ずっとパソコンと向き合っていました。悲しかったことも、辛かったことも、嬉しかったことも、喜んだことも、君とのしょうもない思い出だけを胸に抱いて。ただひたすらに書き殴り続けていました。


上手くいかないことが沢山あって。現実は不条理にも僕の後ろについてきて。諦めろとささやき続けました。所詮誰にも届かない。お前は馬鹿なままで、劣等感の塊のままで。誰かに届けられることなく無意味な時間を過ごすだけだと。誰にも認められず、誰にも読まれず。趣味だって誇ることも出来ず。けれども貪欲にはなれず。一生綺麗事だけをほざいているだけだと、僕の後ろに迫った現実は言い続けました。


好きで始めたのに、楽しいから書いているのに。結局僕も結果論が大好きな人間で。読まれなければ、届かなければ、意味なんてないと思ってしまっていたのだと思います。今も思う節はあるし、まあそういう環境で育ったから仕方ないよね緩く行こうぜって思っているけれど、自分で自分の首を絞めるような考えの奴です。まあ、皆多かれ少なかれそういう所はあるよね。



だから、今この環境が。君の一言が。僕を救ってくれているのには変わりなくて。そんな僕が誰かに恩返し出来るのは書くことしかなくて。ハードルを越えられるのか、もう一度声を頂けるのか不安になるけれど、それでも残された唯一の武器はこれだけだから書き続けるのです。


くだらない後悔は多くの人の手に渡って。僕はこのお話を語るつもりもなくて。それでいいんだよと、ようやく背中にいた現実は言ってくれるようになりました。僕にとって一番何が大事か、やらなくてはいけないことはある。それは逃れられないからしょうがない。けれど、君にとって一番大事なものを忘れるなと、ようやく言ってくれるようになりました。


だから僕は僕に向き合ってくれた、多くの言葉をくれた温かい人たちには真摯でいたい。僕を救ってくれた人たちには感謝を形にしたい。それだけのことなのです。


どこにでもいるようでどこにでもいないような僕のお話は、また機会があれば書こうと思います。まあ、しばらくはゆるゆると行くけどね。


だから君も忘れないで。君の一言は大きなきっかけなのだと。君の勇気は誰かを救うのだと。


僕が君に救われたように、今度は僕がそれを返していきたい。だから、暇な時でも。付き合ってくれると嬉しいな。

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