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三秒前と、お別れしよう  作者: 優衣羽
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差別と君と僕と


一つの物差しで世界を見てはいけないと誰かが言った




僕たちがどんなに変えたくても変えられないものが世界で一つだけある。

それは日本で生まれ育っていれば、あまり関心をひかないものだけど、外に出たら一番と言っていいほどに自分の存在を証明するものだ。


今日映画を見てきたのだけど、ロードオブザリングのアラゴルンがあんなに変わるとは思ってもいなかったよね。あ、グリーンブックの話ね。


映画で突き付けられたのは、1960年代のどうしようもない人種差別だった。当たり前に起きていたこと。自分の身の回りでは起きないこと。未だに根強く残っていること。僕たちがどんなに変えたくても変えられないものが世界でたった一つある。それは人種だ。


国籍は結婚すれば変えられる。相手の籍に入れば日本人ではなくなる。性別は変えられる時代になった。顔にコンプレックスがあれば整形で変えられるし、いい時代になったなと思う。でも、人種だけは変えることが出来ない。

どんなに肌の色を変えようと、目の色を変えようと、国籍が変わろうと。僕が日本人であることは永遠に変わらない。


それでいいと思う人もいるだろう。日本にいる分には充分だ。だって、肌の色で差別されることはないから。周りはほとんど日本人だし、海外の人がいようと糾弾されることはないだろう。


でも、1960年代のアメリカは違った。今でも根強く残っているだろう。僕も旅行で海外に行った時に言われるのだ。


『君は日本人?韓国人?中国人?』


それがただの質問の時もある。でも、答えて態度を変えられる時もある。日本人はあまり酷い扱われ方をすることはないけれど、同じアジア圏でも酷い扱われ方をされてしまう人もいる。



でもさ。それって凄く馬鹿馬鹿しくないか?


昔からずっと思っていたこと。この機会だから世界に言いたいこと。


確かに人種ごとに考え方の違いはあるだろう。得意不得意はあるだろう。でも、悪い奴が皆同じ人種であるとは限らないんだ。その中に良い人だっている。日本人が皆いい奴だと思ったら間違いだし、イエローモンキーなわけでもないんだ。


人種差別ってされた時に思うんだけど、目の前にいるその人は自分を個として見てくれていないことが分かって、いい意味でも悪い意味でも滅茶苦茶気分が悪い。


結局僕らは、全ての人々が平等なのだと偽善を平気で言う、そんな人間なのだ。

何だかそれがどうしても許せなくて、知識をつけていくたびに嫌になった。人種差別とか、男女差別とか、何で人って比べないと生きていけないんだろうか。君には君の得意な分野があって僕には僕の得意な分野があるからって認め合えないんだろうか。それが凄い悲しいんだ。


ランドセルの色は黒と赤とか。馬鹿馬鹿しいよな。ラッキーな事に僕はそうあるべきというような家庭ではなかったから全然違う色を選ぶことが出来たけど。


手を取り合ったら変わるんじゃないかとか、それこそ偽善だ。平等と謳った奴がそういうことをする世界なんだから。


君は君。僕は僕。あの人はあの人。見知らぬ誰かは見知らぬ誰かでいいって、思えないのだろうか。


人種なんて関係なく、才能がある人間はいる。人種なんて関係なく、悪い人間はいる。長い歴史の中で目の当たりにしてきたことを、どうしてまだ学べないのだろうか。


そんなことをたくさん勉強してきてあの映画を見たから、余計に悲しくなったんだ。だから、どうか。僕の作品を好きだと言ってくれる人が、肌の色で人を判断するような、国で人を決め付けるような、そんな考えを持たないように、僕はここで言うしか出来ないんだけど。



世界は広い。自分がされた時、初めてその不快さに気づくだろう。でも、どうか。自分がされたから誰かにすると思わないでほしいと思った。僕はまたいつか海外に行くけれど、その事をしっかり胸に刻んで旅をしたい。



そんな重たい話はさておき、皆365を好きになってくれてありがとう。作者はこんなんだけど、作品はよろしくしてくれると嬉しいな。

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