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三秒前と、お別れしよう  作者: 優衣羽
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そんなくだらないお話


誰かの足跡をなぞっていては何も始まらないけど、なぞりたくなる時もある。


今日も今日とて一日が終わって、僕は変わらず僕のままだけど、やっぱりいい事も悪い事もある。今一番困っているのは先が見通せない事だ。一年後の僕に必要な事、やっておかなくてはいけない事、色々あるけどそれをこなせるか不安で仕方ない。本は出すけど、残念ながら僕は変わらず僕のままで、僕の私生活は激変しない。残念かな。激変したならもう少し身の振り方が変わったのにね。


新しいカレンダーを買わないまま二月になって、目の前の時間は去年の十二月で止まったままだ。


僕が何かを出しても世間は変わらないし、昨日と特に変わらない一日がまたやってくる。内容は変わったかもしれないけど、やっている事は同じだ。いつか僕が動き出した瞬間に世界が変わればいいのになって思う。とてもくだらない事だけどね。


話は変わるけど。もうこの数か月物凄く忙しくて、ようやく時間が出来たと思ったらまた乗り越えなくてはならない壁が出てきた。人生の中で転機になる年だとは分かってたんだけど、ここまで要求される内容が多いとは思わなかったからちょっとめげそうだ。僕はずっと映画を見ながら日々を過ごす贅沢を味わいたかったな、残念だ。


忙しさの最中で、画面を見ている事がとても増えて。ふと。自分の前髪が邪魔だって事に気づいた。とにかく邪魔。もう邪魔。何で前髪あるんだろうって思ったんだけど、これも社会に作られた虚像にハマってただけなんだなあと気付く。

額の肌荒れが気になるから隠していた、って言うのが名目だった。今は全くないし反射するくらい綺麗な額になりましたけども、最初は。誰かが作った可愛らしい虚像に取りつかれただけなんだ。


あれだけ君は君のままでいいなんて言葉を口にして。僕もまた、世間が作ったイメージに囚われた。前髪がある方が可愛いだとか恰好いいだとか、黒髪より茶髪の方がとか、髪の毛の長さはどのくらいでどんなセットで、それがモテるだとか。


まあ少なからず、そういう考えはあったわけで。でも、前髪で額を隠す理由が無くなった時、何しているんだろうなと思ったんだ。


人の価値なんて見た目で決まる事じゃないし、決まった形に当てはまらなくてもいい。モテるモテないとか言うけれど、そもそも作られた自分を好きだって言ってくるやつに何の価値があるって。

誰かのために自分を磨きたいのではなく、不特定多数に好感を持たれたいから無理をして作る自分に何の価値があるのか、僕自身に何のメリットがあるのかって考えた時、答えは何もなかった。


だから、前髪を作るのを止めてみた。視界が開けた。いつもより気分が軽くなった。他の誰でもない、自分は自分と認めることが出来た時、ようやく気が楽になった。服装も、世間の好むイメージに合わせなくてもいい。服屋さんに行って好きだと思ったものを買えば良いんだ。髪型だってそう。そんなくだらない事に今更気付いたけど、これはこれで良いのかなって思う。そもそも、何歳までアイドル系分け目前髪が許されるのかって二十歳過ぎた頃から思っていたから、ちょうどいいよ。


君が無理して型にはまろうとするなら僕は止めといた方がいいと言うだろう。だってそれはとっても窮屈な事だ。多様な考えが奪われるきっかけにもなる。君は誰よりも君自身に素直でいてくれ。

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