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三秒前と、お別れしよう  作者: 優衣羽
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いつかしんどくなる日が来ると思うよ


君の小指から赤い糸が見えればいいのに



っていう作品を今考えている。最近短編をまとめて連載って形にしたのだけれど、気まぐれに更新していくから見てほしいな。暇になった時にでも、無理にとは言わないから。そこで何となく、次が見えたら。長期にしようと思ってる。いわば試作だね。


小指に赤い糸って言いだしたのは誰だろう。少なくともこの五十年くらいはその認識がある。ちなみに中国語では紅線って言うらしいよ。運命の赤い糸だ。


赤い糸が結ばれた人が運命の相手って言うけれど、僕はその運命が必ずしも幸せになるとは限らないと思っているんだ。


運命って必ず幸せになるってわけじゃないだろう?どうしようもなく決められた相手だ。繋がっていたって繋がっていなかったって必ずしも最後がハッピーエンドだとは限らないと思う。最近思うのは、僕の運命はどこかで亡くなってしまったのかもしれないって。報われる結末は人間の勝手な考えだろう。


だからね。君の好きな人が運命じゃなくたっていいと思うんだ。君が幸せならそれでいい。いつまでも来ない人を報われないかもしれない相手を待ち続けるより、今好きな人に会えた方が嬉しいよ。僕はそう思うようになった。


人生なるようになるって、言えるまではまだ僕の身体は時を刻めていないけれど、いつか過去を振り返った時そう思うだろう。ああ、なるようになったって。今の僕が過去を振り返ってもそう思ったりするんだから。


どうしようもなく泣きたくて世界から消えたかった過去。死にたくて車の前に飛び出そうとした日。誰かの目線がどうしようもなく怖くて俯いた日々。それでも生きてきた。何だかここで死ぬような人生ではないような気がして。ここで死んだらあの漫画の続きが見れなくなるから。ここで死んだら、何かよく分からないけれど悔しいから。僕に負の遺産を背負わせた人達が同じように誰かに傷つけられる所を見るまでは死ねないなと思った。僕性格悪いからついそう思ってしまったんだ。


自分が傷付られた分だけ相手に傷ついて欲しかった。お前はこんな事をしたんだぞ、悲しいだろ、苦しいだろ、辛いだろ、死にたいだろって。そしたら二度と同じ事をしないだろう。人は自分が経験しないと事の大きさに気づけないのだ。


最近僕が思っているのは、人って過ぎてしまえばなんてことはなくなるんだなっていう事。

あの頃泣きながら布団にくるまって誰にも言えなかった僕はどこにもいない。今年も酷い事が起きたけれど、ああ、僕の人生っていつもこんなもんだったなって思えるようになってしまった。多分よくない事なんだろうけれど、それにしたって僕の人生酷い裏切りに指を差されるような生き様だったから慣れてしまった。今の僕は多少なりとも腹は立つけれど、もうどうでもいいかなと思ってしまっている。


だって僕を傷つけた人達はもう二度と会う事はないだろう。僕が傷付けてしまった人達も。関係はどんどん薄れていく。思い出す時間さえももったいなくなる。


だから。今、君にどうしても辛い事があったなら。

思う存分泣けばいい。法に触れない程度の非行だって良いと思う。それで君の気が少しでも軽くなるなら。


だから、どうか。

無理に立ち向かわなくても良いんだよ。

しんどいなら逃げたってかまわない。

けれど、いつかは向き合わなければならない日が来るんだ。

それまでに、エネルギーを貯める事なんて誰も怒らないよ。

もし、何か言われたなら言ってやれ。僕は反撃の準備を整えているんだと。


だから、どうか。

人生に悲観にならないでくれ。

生き様も、人に恵まれない運も、大して変わらないかもしれないけれど。時間が経てば、ちょっとした良い事があるんだ。君は君の為に生きている。誰かのためじゃない。だから君の命の終わりは、他の誰かに決められるものじゃない。どうしてもさようならをしたかったなら。それも一つだと思う。けれど、最期の瞬間に、後悔を思い出したのなら。どうかその手を止めて欲しい。君の人生は君が思うより色鮮やかなはずだから。

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