Vol.047【プロファイリング 安藤雫】
芹沢「しかし厄介な事件だな……
コイツはネット社会における犯罪のひとつだ。
今回の事件もどういう形でSNSが関わっているかわからん!
南漓久と桜沢空央は会社では上司と部下……
ネバーランドではお互いが全く別の人格を出している!
二人がネバーランドの中で互いに知らない人格なら、現実世界では起こり得ない感情すら芽生えてくる!
そんな風に生まれた感情がやがて殺意に変わる……
昔はこんな事件が無かった。
時代と共に事件のカタチも変わっていく!
全く嫌な世の中だ。」
安藤「SNSで芽生えた感情を現実世界で出すのは簡単です!
感情が芽生える舞台が現実世界なのか……
それとも非現実世界なのか……ってことだけです。
確実なのは、被害者の南漓久に対する愛は紛れもなく現実だってことです。
そしてネバーランドのアバターも、その裏の人間は全て現実なんです!
被害者は犯人と顔見知りだった!
女性が訪ねて来てからドアを開けるまで数秒……
顔見知りじゃなきゃ……あの時間帯に一人暮らしの女性が無防備にドアを開けるはずがない!!」
芹沢「まぁ、実際に訪れた人物を招き入れて被害にあってるからな!身内犯だよ。」
安藤「腑に落ちない……」
芹沢「何がだ?何か引っかかることでもあるのか?」
安藤「防犯カメラに映ってた女性……
そして被害者の部屋にあった南漓久の写真とネクタイ……
そしてミクスト!
犯人が防犯カメラに映ると想定して被害者宅に入ったのなら、絶対に起こしてはいけないミスがあります!」
芹沢「どういうことだ!?」
安藤「犯人は想像以上に知能犯かもしれないってことですよ!」
芹沢「知能犯がネクタイを忘れるのか?
大体、南漓久は本当に被害者の部屋に行ったのか?」
安藤「防犯カメラに映っていた女性……
南漓久が犯人なら、この女性の訪問は不自然です!
女性が空央さんの部屋に訪問した時間はPM10:25~PM11:30の間!
間違いなくこの女性が空央さんを殺害しています!
しかし、あえて南漓久のネクタイや写真、愛飲していたミクストを準備万端に配置し、南漓久に疑いの目を向けている。
この女性が犯人なら、男性を犯人に仕立て上げるのはおかしい!となると、この女性は南漓久が女装をした姿と警察に思わせます。
腑に落ちないのは、こんな子供騙しのトリックが警察にはすぐにわかると思いつつ、あえてこのような行動を犯人は犯したのか?ってことです!
ある意味、犯人は快楽犯っていう可能性もあります。
今の私の推理からいくと、3通りの説が予測されます。」
芹沢「ほぉ!何だ!?」
安藤「最もポピュラーな推理は、被害者の部屋に南漓久の私物を配置し、彼を犯人に仕立て上げる身内による犯行です!
ただその場合、防犯カメラに映った女性の存在が全ての目論見を破壊します!
考えられるのは、捜査を混乱させる身内による犯行。」
芹沢「計画性が全くない犯行になるな!
南漓久が女装したと見せかけるなら、ネクタイの意味は皆無だ!!」
安藤「いや、ネクタイの持ち主がわからなければ、防犯カメラに映った女性は彼なのか?と思わないでしょう!
ある意味、彼に警察の目を向けさせるのが目的だと思われます。」
芹沢「なるほど、警察に彼の過去を調べさせる訳だ!
現に南漓久には記憶障害という不利な条件が揃ってる。」
安藤「そういうことです!」
芹沢「2つ目は?」
安藤「南漓久本人による殺人です!」
芹沢「やはり彼本人という説か!!」
安藤「はい!しかし理由はこうです!
彼はある程度のストレスを抱えると、パニック障害を起こす可能性があります。
その時、彼にはもう一つの人格が現れます!
おそらく空央さんとSoRaという謎の人物の件で、相当なストレスを抱えていたと考えます」
芹沢「話には聞いたことがあるが……二重人格……」
安藤「女装は、あくまでも彼自身のもう一つの人格ではないか?という……
これはあくまでも憶測です!ただ視野に入れておくべき項目です」
芹沢「その女装した南漓久が快楽犯……彼は自分自身を陥れようとしているのか?」
安藤「その説が濃厚です!
それなら自身のネクタイや写真を準備するのも容易いかと……
なおかつ空央さんがなんの躊躇もなく部屋に招き入れたのも頷けます。」
芹沢「で?最後の説は!?」
安藤「はい……それは……
__本当に危険な推理です。」




