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Vol.045【現場検証】

挿絵(By みてみん)


2017年4月6日 AM2:50

桜沢空央殺害現場

表参道・女性専用マンション


芹沢「現場に到着しました!」


捜査本部長「既に鑑識は進んでいるが、状況確認を安藤君と進めてくれ!」


芹沢「了解しました。」


表参道にある女性専用マンションの4Fの一室。

立入禁止テープをくぐり、被害者の自宅へ入る。


芹沢「かなり豪華なマンションだな!

被害者はお嬢様か?」

安藤「立地条件もいいですから、この年齢で家賃を払うのは難しいですよね。」


捜査員「ご苦労様です!」


芹沢「捜査本部の芹沢と安藤だ!

状況は?」


捜査員「はい!

被害者はここで、うつ伏せの状態で発見されました!」


芹沢「血の海だな……」


安藤「酷いですね……」


捜査員「芹沢さんと安藤さんが到着するまでは、遺体以外の配置はそのまま保存していました。

養母の方も室内には一切手を触れていません。」


芹沢「何かめぼしい証拠は?」


捜査員「それが……

凶器は見つかっていません。

犯人らしき指紋もなく、毛髪や衣服の繊維も本人のものばかりです!」


芹沢「他には?」


捜査員「遺体の近くから被害者の携帯電話と、男性物と思われるネクタイが見つかっています。

こちらです。」


芹沢「ネクタイ……」


捜査員「さらに、被害者が刺された衝撃でテーブルの飲み物がこぼれていました。

鑑識の結果、テキーラの『Mixtoミクスト』と判明しています。」


安藤「ネクタイ……

男性用ですか?

被害者の首に締め付けられた跡は?」


捜査員「ありません。

司法解剖でも、そのような痕跡は確認されていません。」


安藤「やはり腹部を数カ所刺されたことによる失血死ですね!」


芹沢「そうだな。」


安藤「防犯カメラの確認を急ぎます!

管理人にも待機していただいています。」


芹沢「うむ!」


安藤「住民の方も騒ぎで起きています。

聞き込みもできそうです。」


芹沢と安藤は、空央の殺害現場を調べ始めた。


芹沢「凶器がない……

犯人が持ち帰ったか?」


安藤「防犯カメラの確認依頼してきました!

設置場所は、

マンションへ続く歩道に1台。

マンション入口に1台。

1F、2F、3Fに各1台。

エレベーター内に1台。

そして被害者の部屋がある4Fに1台です。

ただ、この4Fのカメラから玄関までは距離があります。

映像だけで人物を特定するのは難しそうです。

現在、別班が確認しています。」


芹沢「わかった!

何かわかったらすぐ知らせろ!」


芹沢「ん?なんだこりゃ?」


安藤「アルバムですね。」


芹沢「何か挟んである……

会社の集合写真か?」


安藤「それと、この写真……

男性2人で写っていますね。」


芹沢「ふむ……」


安藤「集合写真には『祝 新入社員!!』と書かれています。」


芹沢「ツインライトプロダクション……

被害者が入社した時の写真だな。

日付は……4月1日。

たった5日前じゃないか……

そうか……

被害者は、まだ新社会人だったんだ……」


安藤「希望に満ちた新生活が始まったばかりだったのに……」


芹沢「人間、先に何があるかわからんもんだな……」


安藤「待って下さい!!!

芹沢さん!」


芹沢「ん?なんだ!?」


安藤「この男のネクタイ……」


芹沢「遺体の近くにあったネクタイと同じ柄じゃないか……」


安藤「そして、この写真に一緒に写っている男……」


芹沢「まさしく、この男だ!!

すぐに身元を調べろ!」


安藤「もう一人、

一緒に写っている男も調べます!」


芹沢「頼む!」


そして芹沢は、空央の携帯電話を調べ始めた。


芹沢「ん?

最近の若者にしてはロックもしてないんだな……

まぁ、手間が省ける。」


しばらくして安藤が戻ってきた。


安藤「わかりましたよ!

芹沢さん!

ネクタイの持ち主は南漓久という男みたいです!

ツインライトプロダクションで、被害者の上司にあたる人物です!」


芹沢「よし!!

そいつを徹底的にマークしろ!

朝には聞き込みだ!!」


安藤「はい!」


芹沢「なぁ、安藤!」


安藤「なんでしょう?」


芹沢「今、被害者の携帯を見てるんだが、本部長が言ってたネバーランドっていうアプリはこれか?」


安藤「そ、そうみたいですね……」


芹沢「お前、詳しいんじゃないのか?」


安藤「……」


芹沢「どうした?」


安藤「し……知ってますよ!

姪がやっていて、私も少し触ったことがありますから。」


芹沢「お前……何か隠してるな?」


安藤「ネバーランド……

本部長が知っていたのは、私の経歴に興味を持たれて、先日お話ししたからです。」


芹沢「経歴?」


安藤「私は以前から捜査二課の知能犯捜査を目指していました。

主にネット犯罪やSNSトラブルです。

近年増えるSNS犯罪の捜査に役立ちたいと思っていました。

その話の流れで、本部長に最近話題のネバーランドをご説明したんです。」


芹沢「ネバーランドってなんだ?」


安藤「参加型のコミュニティツールです。

見知らぬ人とも気軽にコミュニケーションが取れるアプリとして話題になっています。」


芹沢「見知らぬ者と話がねぇ!

昔は電話しか無かったんだよ!

携帯もない!

黒電話だ!」


安藤「時代は変わりました。

こんなに簡単に人と繋がれる……

ある意味、怖い時代なんですよ。」


芹沢「ネバーランドが犯罪を生むと?」


安藤「わかりません。

互いを理解し合い、健全に利用するなら、とても良いアプリです。

でも、人は妬みや嫉妬、欲望を抱く生き物です。

その感情を抑えられなくなった時、トラブルや犯罪が起きるんだと思っています。」


芹沢「人には癒しが必要だ。

そんな手助けをするアプリが、皮肉にも人間の嫌な感情を引き出してしまうか……

まぁ余談はここまでだ。

安藤、ひとつ調べておいてくれ!」


安藤「なんでしょうか?」


芹沢「見つかった被害者のダイアリーだ。

俺が見るのは忍びない。

それと養母から、被害者について気になっていたことも聞いておいてくれ。」


安藤「了解しました!」


2017年4月6日 AM4:15 殺害現場


捜査員「芹沢さん!

南漓久と一緒に写っていた人物の身元が判明しました!」


芹沢「なんだと!?で?誰だ!?」

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