Vol.017【砂漠のオアシス】
SoRaがコメントをくれた事が嬉しくて、
俺はすぐに返信をしてしまった。
▷Kaito 2016年12月14日 ちょっと前
こんばんは!
そんなに喜んでくれたの?
珍しくもないんだけどね!
SoRaさん、聞いてほしいんだけど、君の日記に入れないから、良かったらフレンドになってくれないかな?だめなら仕方ないけど。
仕方ない——か。
嘘だ。
本当は、もっとSoRaの事を知りたかった。
どんな奴なのか。
何を考えてるのか。
顔も知らない。
声も知らない。
それなのに、頭の中はSoRaで埋まり始めていた。
乾いた場所に、少しずつ水が流れ込んでくるみたいに。
もしこの感情で、心の奥まで満たされれば——
そこは、俺にとってのオアシスになるんだろうか。
SoRaと、この世界で繋がっていられるんだろうか。
考えれば考えるほど、自分が分からなくなる。
恋とも違う。
愛なんて、もっと違う。
ただ、この感覚を失いたくなかった。
SoRaが現れてから10日。
かつてない感情が、少しずつ俺の心を侵食していた。
……非常にマズい。
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SoRaに返信をした翌日の夕方。
まだSoRaから返事は来ない。
そんな時、携帯の着信音が鳴った。
……沙羅だ。
ネバーランドの事をバカにされてから、
正直コイツとはあまり話したくない。
漓久「はい……もしもし」
沙羅「あ、漓久?」
漓久「なに。なんか用?」
沙羅「ちょっと話あるんだけど、いい?」
漓久「なんで俺なの」
沙羅「みつきの事でさー」
漓久「みつき? あの陰気娘が何。
俺には関係ないんだけど」
沙羅「最近、好きな人出来たっぽいんだよね」
漓久「はー?」
沙羅「最近よくカフェ行って、誰か待ってるみたいなの。
心配じゃん? あんな娘だし」
漓久「知らねぇよ。ケンジに言え」
沙羅「ケンジずっと仕事で電話出ないんだもん!」
漓久「あいにく俺も暇じゃねぇんだよ。
分かる?」
沙羅「ネバーランドやりたいのは分かるって!
だからさ、ここは一つ!
沙羅ちゃんのお願い聞いて? ね?」
漓久「ったく……。
分かったよ。で、今どこ」
沙羅「今、渋谷!
サナロード来てるから!
みつき、もういるみたい!」
漓久「俺一人で行くのかよ……。
キャラじゃねぇなぁ」
沙羅「いいから来て! オケ?」
漓久「はぁ……オケだよ」
沙羅は気に入らねぇ。
けど、あのみつきに男——?
あとで何か言われんのも面倒だ。
……仕方ねぇ。
行ってやるか。




