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【完結】2度愛された女  作者: ぺこりーの
17/28

逃げる二人

これまでのあらすじ



華は竜二が前世では誠という名前だったことを明かした。



そして華は女優であったこと。


誠が新聞記者であったことなども・・・・



住む世界が違う二人がどうやって知り合ったのか。


また誠と華が一緒に脱走したことなども話す華。



そして若くして死んだ誠の死の理由は・・・・・



生き残った華のその後の人生とは・・・・



華の手を離した誠は華にこう言った。




『このままでは二人とも捕まってしまう!


俺が警察を引きつけるから華はうまく逃げろ。


バラバラに逃げた方が安全だ。


そして明日の夜8:00に埠頭の東京港で会おう!』




誠はそう華に伝えると、急にターンして今走って来た道を追っての警察の方を目掛けて走り出した。




『な、なにやってるの!?誠は・・・・・』




華は誠の呆れた行動に驚きながらも、暗闇の方へ暗闇方へと走り去った。


一方の誠の行動に警察官もびっくりした。


警察官は咄嗟に走るのをやめ、その場で誠を取り押さえようと腰を低くして身構えた。




追っての警察官はどうやら3人だ。


誠は『よし!』と自分に合図をすると、今度はまた方向転換をして左方向へ走り出す。




待ち構えていた警察官が『あっ!』と声を出したのも束の間。


なんと誠はそこに停めてあった自転車にまたがると、今度は一目散にペダルを漕ぎ出したのだ。




誠は華を連れて走りながら、自転車が停めてあることに気づいていた。


しかし華と二人では自転車には乗れないと思った誠は、自分が警察官に意表をついてるあいだに華を逃がし、そして自分は自転車で逃げるということを瞬時に思いついたのだ。




誠は頭の回転が早かった。


しかも勇気もあるしメンタルも強い。




どうやら生まれ変わる時は、一度すべてリセットされるようだ。


今、前世で必死にペダルを漕いでいる誠は、来世でのことなどまったく知る由もない。




そして間抜けな3人の警察官たちは、ものすごいスピードで走る去る誠の後ろ姿を呆然と眺めいていた。



そしてその3人の間抜けな警察官の後を追って、もう一人の間抜けやろうがやってきた。



そうだ。




誠に睡眠薬入りジュースを飲まされてウトウト眠ってしまった看守だ。



看守が逃げる誠の姿を目で追いながら3人の警察官にこう言った。




『なんで逃してるんだよ〜〜!!』




3人の警察官は一斉に看守の方を向き口を揃えて怒鳴った。



『一番悪いのはお前だろ!!!』



と言うや否や、警察官の一人が看守の頭をヘッドロックして、あとの二人にボコボコに殴らせた。




次の日の新聞各紙には、『警察大失態!!容疑者にまんまと逃げられる』という特大の見出しが並んだ。


あろうことか、警察内の留置所にいた容疑者に逃げられたのだから、警察の面目は丸潰れだった。



新聞には逃げた華の顔写真ではなく、間抜けな警察官3人の顔写真と、ボコボコに殴られた看守のひどい顔写真が掲載されていた。


これではいったい誰が容疑者なのかさっぱりわからなかった。


しかしこの大失態に、警察所長の怒りが凄まじかったことは容易に想像できる。




誠は時計を見た。


そろそろ時計の針は8時をさそうとしている。




誠でさえ東京港まで来るのは簡単ではなかった。


街中を警察官がウロウロしているので、警察の目をかいくぐってここまで来れたのが奇跡のようだった。




『華は無事に逃げれただろうか・・・・・


そして今夜ここまで辿り着けるだろうか・・・・・・』




かすかに磯の香りがするのを誠の鼻が感じていた。


久しぶりに嗅いだ海の匂いだ。




誠は貨物船が目の前に見えるコンテナの影に隠れて華を待っていた。



貨物船は出港が近いのか、しきりに蒸気を吹き上げ船のエンジンを温めているようだった。



今夜は昨日とは打って変わって月明かりが綺麗だった。



誠はタバコを1本胸ポケットから取り出すと、ゆっくりと火をつけた。



誠がタバコの煙をフ〜と吐きだすと、貨物船もまた白い蒸気をブォ〜!と吐き出す。




2つの白い煙が漆黒の夜空に消えていった。




明日は『貨物船』に続きます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 夜の東京の情景が浮かび上がります。 行ったことはありませんが。 最後にせめて2人がお別れできるといいですね。 [一言] 今日も秋晴れ。 執筆の後は美味しいビールを楽しんでください。
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