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トラ トラ トラ!  作者: 悠鬼由宇
第2章
96/440

カウンター 4


「コイツがさあ、トラくんのこと聞いてきたんだけどさあ。知ってんのコイツ?」


 他の選手達が一斉にどよめく。口々に可愛いーだの可愛いだの超可愛いだの呟いている。それを無視して両手の縛を振り解き、あかねはトラの前にスタスタと歩いて行く。



「こんにちは。私の事覚えているわよね?」



 トラは眼を細め、首を横に振る。



「は? 去年の夏に不覚ながらにも貴方に助けられた者ですが。まさかもう忘れたと言うのかしら? だとしたら貴方の記憶力は昆虫並みね。いえそれは昆虫に失礼だったかしら」



 何人かの生徒が吹き出す。こん虫ー、こんちゅう、何それウケるー



 トラがああ思い出した、と言う顔になり、


「おおお、あん時の赤毛のアンか。元気だったか?」


 全員の目が点になる。何事かと近寄ってきた中年コーチも目が点だ。



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