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カウンター 1
時は流れー
春休みである。大好きな学友との新学期まで一週間もある。
新学期生活に夢を膨らませながら帰宅の途を辿っていると、地元の中学校の校庭の騒々しさにふとに目が吸い寄せられる。
見つけた!
間違いない。トラだ。赤いロン毛にガッチリした体格。今も野太い声を出してチームメートに指示を出している。
あかねはサッカーのことは良く知らない。父親が昔ラグビーをしていて、たまに一緒に国立競技場に大学ラグビーを観に行っていたが、かと言ってラグビーにも興味は無かった。それよりもプレー中に頭を強打し失神した選手に、父曰く
「魔法の水」
をかけると摩訶不思議なことに、皆スクッと起き上がるのが印象的だった。
「お父さん、あのお水はどんな成分なの? お寺か神社で清められているとか?」
「はは、フツーの水だよ」
優しく頭を撫でながら可笑しそうに父は呟く。でもそれは絶対ウソだ! だってあんなにすぐに立ち上がれる筈ないもん。
あかねはいつかあの「魔法の水」の正体を突き止めてやろう、そんな事を考えながら観戦していたのだった。




