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ジャイアントキリング 8
走馬灯の様に、須坂との過去が健太の脳裏に映し出される。同期入社でサッカー部とラグビー部。それほど親しくはなかったが、お互いに会社を代表するスポーツマンとして尊敬しあっていたあの頃。部を引退し、共に管理職となった頃。管理職研修で激しく議論し、議長をしていた常務が止めに入ると、二人して「うるさい、邪魔すんな」と怒鳴り散らした事。
互いに順調に出世を重ね、同じ日にそれぞれ部長を拝命した事。新橋の飲み屋で朝まで社の前途を熱く語り合った日の事。
そして… 去年。左遷を言い渡された事。
そして…
「おい。返事しろよ。いやとは言わせないぞ… ん? 永野、お前、泣いているのか?」
鼻を啜りながら、健太は一言だけ、
「わかった」
そう言って、電話を切る。
既に顔中涙だらけの健太は、細い路地に蹲み込んで、顔を覆い号泣するのであった。




