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WB 6
ママとミキは大きく溜息をつく。隣のトラは一人スマホを弄っている。
「そんで、永野さんアンタ、これからどーすんの?」
ミキが何本目かのタバコに火を付けながら問いかける。
「エリート社員がこんなに落ちこぼれちまってさあ」
赤の他人にこんなことを言われるなんて。ちょっと前の健太だったらなら、プライドを傷つけられたと怒り狂っていただろう。
しかし今夜は、いやこの店では全く怒りが湧いてこなかった。寧ろその苦言が心地良くもある。不思議な店だ、いや不思議な人たちだ。
「そっか、ヒマ、なんだオッさん」
不意にトラが口を挟んでくる。
「そしたらさ、俺たちの中学のサッカー部のコーチ、やってくんね?」
飲みかけたビールを咽せてしまう。
「は? 何だって?」
「だからー。ウチのサッカー部の面倒みてくんね?」




