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オフサイド 1
「凄かった。トラもみんなもホント凄かった!」
興奮気味のあかねがトラの手を握ったまま離さない。
「このまま精進すればあなたはきっとプロ選手になれるわ、キアラン・リードのような。間違いないわ。それじゃ行きましょうか」
「…… 誰それ?」
「あら知らないの? 世界一のラガーマンだけど」
「知るか… なるかっ で、何処に?」
「だって。あなた父と約束したじゃない? 結果を出したら土下座とか何とかって。今日は父は家にいるのよ。最近は週末ずっと家にいるのよ。以前は接待ゴルフとかばかりだったのに。どうしたのかしら」
「ちょ、ちょっと待ていっ」
「心の準備? 諦めなさい。さ。行くわよ」
「ま、待てい…」
ずるずる引き摺られながら、トラはあかねの後を歩くしかなかった。




