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トラ トラ トラ!  作者: 悠鬼由宇
第4章
242/440

ミドルシュート 1


「っベー、脛当て置いてきたかも」


 トラが思い出したように叫ぶ。


「お前ら先帰ってて。オレちょっと取ってくるわー」


「私も行くわ」


「おお、サンキュ」


 するともえが、


「トラくん、ちょっとキョンの様子見てきてくんね? オッちゃんに話あるからってまだグランドに居るはずなんだ…」


「ほーん。わかった」


 トラとあかねは飯田橋駅に入っていく皆と別れ、運動場に引き返す。



「キョンちゃんどうしたのかしら。そう言えば今日は様子が変だったわ。何か思い詰めたような表情だったの、試合前から試合終わった後も…」


 トラはそうだったかな、と思い返すが全く思い当たらない。キョンは女にしては非常にサッカーに詳しく、下手をするとヨーロッパサッカーやJリーグに関してはチーム一の知識を持っているかも知れない。


 戦術にも詳しく、先週キョンとゲーゲンプレスについて語り合ったが、トラは途中から話についていけなくなるほどであった。



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