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アーリークロス 9
G Kの小谷は健太の意思通りに、相手のシュートをキャッチするや否や、パントキックで前線に一人残っていた茅野に低弾道でパスを送る。茅野はそのパスを難なくコントロールし、完全に独走体勢に入る!
「相手には守る気持ちが無くなっていたね。そこを冷静に見極めれば… うん。これで3―1。残りはアディショナル二分だっけ?」
もえとりんりんの二人は大絶叫中だ。バレーボールのアタッカーより高く飛んでいるのでは無いか。キョンは一人、
「なる… 程… これは…」
と唸っている。
一美は観客席を振り返る。親達はもはや一塊になり、抱き合い飛び跳ねている。いいな。ほんと、いいなこの光景。
私がこの学校で求めていたもの、望んでいたもの。
どんなに所得に格差があろうと、どんなに生まれ育った環境が違くても、子供の活躍を喜ぶ親の姿に違いは無い。
確か、リストラにあって今無職のM F大町の父親は、そんな親達の中でも一番高く飛び跳ねている。病み上がりだと言う沢渡の母親はいつ寝込んでいたの、と言うほどピョンピョン跳ねている。




