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トラ トラ トラ!  作者: 悠鬼由宇
第4章
230/440

スルーパス 4


 永遠にその機会がないといいなあ、なんて思いながらトラはあかねのマンションを後にする。それにしても今日の試合は楽しかった、人生の中でもダントツのベストゲームだった!



 ケンタの策が面白い程当たった。前半は相手にボールを持たせろ。無理に攻めなくて良い。失点だけは全員で防げ。後半は相手が焦り始める。そこを突け。チームの意思を統一させろ。攻めるときはオマエが合図しろ。



 今日程、敵味方の表情が良く見えた試合は経験がない。相手の焦る表情が手にとるようにわかったし、味方が前のめりになりそうなのを抑え、試合終盤に逃げ切りたい一心での無意味なクリアを嗜め、落ち着かせ。



 そう。あの時オレはピッチ上の王様だった。


 相手はオレを恐れ、味方はオレを敬う。


 最高の気分だった。ケンカで相手を負かすよりも何百倍も快感だった。



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