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ゾーンディフェンス 2
「それよりトラ。大会で使うユニフォーム、有るのか?」
トラが溜息をつきながら、
「それな。毎年それで揉めんだわ」
トラの話によると、毎年ホーム・アウェーの二着を揃えなければならない。それが無ければ六月の全国中学校大会の予選に出場出来ない。何年かに一度は経済的な理由でユニフォームを揃えることのできない家庭が多く、予選にエントリー出来ない年もあると言う。
「実は、今年もサワんとこと大町んとこがヤバいかも、なんだよ」
健太はゴクリと唾を飲み込み、
「親の失業とかか?」
「サワのとこは親父いなくて、お袋さんがこの数ヶ月病気で入院中。大町んとこは、そう、親父さんが先月リストラされて家でゴロゴロしてんだってよ」
かく言う健太も自宅謹慎中の身の上なのだが。
「ユニフォームってよ、パンツとストッキングも別に揃えるだろ。合わせりゃ二万以上かかるんだって」
亜弓の顔が引き攣る。
「確かにな。それにサワなんてあのスパイク… 穴空いてるし、裏はツルツルになってるしな」
健太は生徒の何人かは試合に適さないスパイクで練習に臨んでいることを知っている。でもそれを健太がどうこう言うことが出来ない事情が彼等にはあるのだ。




