天魔祭に向けて準備します。後、妖刀なる物を手に入れました。
大人数の侵入者から2日立ち私、ルナ、カミラさんは商業都市レプトンに赴き、天魔祭に向けて買い出しに来ていた。
「後、いる物は……」
「武器と防具」
「まさか、最低二つ出場しないとダメとはねー」
そう、天魔祭の参加申し込みをしに行った際、受付の人に最低でも二つ参加して下さいと言われ悩んだ末にレイド戦に出る事にした。
ルナの提案によりレイド戦ではダンジョン産の武具は使わない方が良いと言う事になる私達はそれぞれに合った武器を探しに来たって感じですね。
「色々、武器屋があるみたいなので分かれてまた、再集合しましょうか」
「おけ」
「わーい! お買い物だー!」
カミラさんは、一人でそそくさと行ってしまったので私達もそれぞれお店を目指した。
「いらっしゃいませー。 本日はどの様な物をお求めで?」
「刀を見せて欲しいんですけど」
「変わった武器使うんですねー。そこの一角が刀ですのでご自由にご覧下さいませー」
そんなに変わってますかね? 他の武器に比べたら軽くて使いやすいと思うんですけど。
「んー、黒雪達と同等かそれ以上の性能の刀は無いですかねー」
色々物色していると一本の刀に目が止まる。
「……おやおや、これは」
「あ、お客さん、それは辞めといた方がいいよ」
店員さんが、欠伸をしながら私を止める。
「これは、妖刀ですね」
「わかってるなら話は早いです。 その刀を持った人は100%死に至るって言われてます。そんな刀、買わなきゃよかったわ」
ふーん、100%ねぇ。面白そうですねー。
「これいただきますね」
「え? お客さん!?」
私が刀を手に取ると刀が紫色に光、何かが私の頭の中に話しかけてくる。
『俺様の眠りを妨げたのはお前か』
「誰ですか? あ、これお代です」
「お客さん! 死んでしまいますよ!」
「大丈夫ですよ」
私は、店員さんにお辞儀をして近くの路地裏に足を伸ばす。
「ここなら、誰も来ないですかね。 さてと」
私は手に入れた妖刀に意識を集中させ一気に刀を鞘から抜く。
その瞬間、私の意識が何処かに飛ばされ目を覚ますと目の前に、着物を着たお爺ちゃんがいた。
「ほう、わしの意識内に干渉して来るとはお主何者だ」
「別に何者でも無いですよ。 それより、貴方がこの刀の呪いですかね」
私がそういうと、お爺さんはほほほっと笑い髭を撫でる。
「呪いと言うか、この刀を持った者が死にゆくのは、わしを使いこなせず魔力を消費し続けたせいじゃよ」
「なるほど、この刀を使うだけで莫大な魔力が必要になると言う事ですね」
「悪い事は言わぬ、さっさとわしを手放した方が良いぞ」
お爺さんはいつの間にか用意されていたお茶を啜りながら、私を見つめる。
「使用者を殺す刀……ふふ、気に入りました」
「なんじゃと?」
「だから、気に入りました。 貴方を使いこなして見せましょう」
「ほほほ、馬鹿じゃなお主」
馬鹿で結構ですよ。 しかし、使いこなすと言ってもどうしましょうねー、そんなすぐ魔力量上げるのは不可能ですし……。
あーピンっと来てしまいました。
「【確率操作】」
刀を使った時の消費する魔力の%を表示して操作する。
おお、これはやばいですね。
1秒使用毎に10%ずつ魔力が持っていかれるようです。なので、普通の人が使うと10秒であの世行きって事ですね。
「確率とは違いますけど、%が設定されているなら確率操作の力使えるみたいですね。 でしたら、魔力消費を0%に設定してっと」
これで、必要な時に魔力を流せば力を発揮出来ます。
「お主、本当に何者じゃ?」
「只のダンジョンマスターです」
私は、一度魔力を流し刀を軽く振ると魔力で形成された斬撃が放たれ空間を切り裂く。
「……やば」
「これほどの威力とは……」
さて、そろそろ戻りましょうか。
私が、刀を鞘に戻すと周りの空間が割れ路地裏へと意識が戻る。
「やっぱり、物凄く疲れますね……。 二度とごめんです」
『わしの空間を破壊して置いてよく言う』
五月蝿いですよ。
その後、ルナ達と合流しそれぞれの武器を見せ合い少しだけ手合わせする為、街の外にある森の中へとやってきました。




