エピローグ
私は、新城香織
女子高に通う18歳。
昨晩、変な夢を見た。
昔はまっていたオンラインゲームの世界の夢。
当時私は、小学校低学年にして兄(当時14歳)と共に廃人レベルにやり込んでいた。
『2つの名』を持ち、誰も成し得なかった『ソロで魔王討伐』を果たしてしまう程に・・・
そして、サービス終了しても熱が冷めずに、後日談まで考えた。
『黒歴史ノート』
昨晩の夢のストーリーが書き記された所謂『妄想』の産物。
幸い今日は休みなので、実家に行って確かめてこようと思う。
私の記憶が確かならアレは・・・
実家に帰ると、兄がすぐに出てきた。
「おかえり、香織」
「ん、ただいま直兄ぃ」
兄=直哉も用件は分かっているらしく、物置の方に向かう。
「これを確かめに来たんだろ?」
厳重にテープが巻いてある箱。
ご丁寧に『封印』って書いてある()
「開けるぞ?」
「おっけ」
中に入っている物・・・『黒歴史ノート』
「理由は分からんが、昨日コレの夢を見た」
「そういう事だろう?香織。」
「ええ、どうやら直兄ぃも同じみたいね。」
私の記憶が確かなら・・・
「それと、もうひとつ確認もあったの。」
「確認?なんの?」
そう・・・私の記憶が確かなら・・・
「『黒歴史ノート』は一冊じゃない。」
私達の『黒歴史』はまだ終わらない。