↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
40/40

第40話 エピローグ

 俺達4人は、1か月ぶりの陽の光に晒されていた。


「くーっ、太陽が眩しいぜ!」

「何その恥ずかしいセリフ!」

 俺の言葉に、マイが、それでも嬉しそうに毒づく。


「やっと、地上の飯、食える。」

「調味料、買わなきゃなー。」

 ノボもヨースも、思い思いの言葉を発した。

 二人とも、懐かしい陽の光に、嬉しさを隠せない。


「コニー、いなくなっちゃったね。」

 マイが少し寂しそうにこぼす。


 俺達はベビードラゴンを倒した後、ダンジョンⅬを引き返した。

 これで一旦ダンジョンⅬを後にしよう。

 地上に出よう。

 コニーと一緒に。


 そう思いながら、引き返してもコニーの姿は見えない。


 ……これが契約終了ってことか。


 コニーは契約終了と共に、俺達パーティから離れた。

 そう理解した。


 地上に出るには、3日も要した。


「ま、気にしてもしょーがないぜ! 早く冒険者ギルドに行って、貰うものを貰おうか。」

 俺達は、ダンジョンⅬ-26層までの攻略報告と、その成果報酬を受け取るべく、冒険者ギルドに意気揚々と向かった。


 ――ギイッ……。


 冒険者ギルドのドアを開けると、目の前に女が居た。


「遅いわ。」


『コ、コニー?!!!』


 ノボを除く3人が、合わせたように驚いた声を出した。

 コニーが居なくなったという感傷もひとしお。

 なんてことの無い顔でコニーがそこに突っ立っていた。


「また会えて良かったよー!」

 ヨースがコニーに飛びつく。

 そんな俺達に眉ひとつ動かさず、コニーはただ、俺に突き出すように手を伸ばした。


「はい、これ、帳簿。サインしなさい。」

 突き出した手の先には、一冊のノートがあった。


「……どれどれ……。」

 コニーと再会しながらも突然の展開に圧倒されつつ、俺は帳簿を目に通す。


「……120万ゼニ―??!」


 俺は再び驚きの声を上げた。

 時給制の日当はともかくとして……。

 やけに食材費が目に付くな。


「どれも正当報酬よ。私としては、ちょっとサービスが多かったぐらいに思っているわ。端数もおまけしたわよ。さあ、さっさとサインして、ギルドの受付に提出して精算なさい。」

「くそー、ポニー、ぼりやがって……。」

 俺は涙目でサインをして、受付に向かう。


「ダンジョンⅬの攻略、お疲れさまでした。26層までの攻略ですね……。えっと……、そこからハケン代も差し引いて……。」

 受付はパチパチとソロバンをはじき始めた。

「……はい、それでは経費を差し引き、20万ゼニ―のお渡しになります!」


『たった20万ゼニ―?!!』


 再度、ノボを除く3人が声を合わせた。


「……だからあなた達はすぐ騙されるのよ。」

 コニーが呟くと、おもむろに受付に向かって言った。


「地下ダンジョンAからZは、王国特別助成金が付くわ。私の分は、半分はギルドから直接受け取る分のはずよ。」


「え……、えっと、はい、そうでしたね。えへへ……。」


 受付の奴、確信犯だ!

 こいつこそ、俺達からぼろうとしてやがったな……。

 そしてさすがポニーの奴、カネには抜け目がない。

 俺は、改めて80万ゼニ―を受付から手にした。


「ありがとう、コニー! 助かったわ……。」

 マイがホッと胸を撫でおろして、コニーに御礼を言った。

 コニーはそんなマイを優しく一瞥して、

「さあ、私の用件はこれでおしまい。行くわ。」

 踵を返した。


「なあ、ポニーさんよ、本当に行っちまうのか?」

「コニー、もうちょっと一緒に居ようよ!」

「オレ、コニーの作ったジャーキー、また食べたい。」

「僕、まだコニーの出会ったモンスターの話、聞きたいよー!」

 それぞれが、思い思いにポニーを引き留める。


「あなたたちとはもう、契約終了よ。それがあの時の約束。」

 そうすると振り返らずに続けた。


「また会うこともあるでしょう。あなた達が冒険をやめさえしなければ。」

 ポニーは振り返らず、颯爽と冒険者ギルドのドアを開けると、そのまま去っていった。

 俺達は、それを見送るしかなかった。


 これで補助魔術師はいなくなった。

 さて、これからどうしようか。

 いや、そんなことは今考えても仕方がない!

 仲間がいる。冒険がある。きっと楽しい明日が待っている。


「さあて、飯を食いに行こうぜ!」

「うん!」

「腹、減った。」

「だねー!」


 俺達は前を向いた。


 またコニーと会える、そんな確信を胸に抱きながら――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。