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悪役令嬢です。ヒロインがチート過ぎて嫌がらせができません!  作者: 一番星キラリ@受賞作続刊7/1発売:商業ノベル&漫画化進行中
【番外編】

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あれを食べたい……!(後編)

「茜、チャーシューっぽい豚肉料理が完成よ」

「わーい、味見する!」

「茜、麺を切ってみるか?」

「あ、やってみたい!」


 こんな風に親子三人で何かを作るって、本当に。

 本当に、久しぶりだった。

 楽しくて仕方ない。


「野菜、炒めることできたよー」


 私がそう言った時、本物のヘッドバトラーが、厨房に顔をのぞかせる。


 何ともいい香りがするので、彼は微笑みながら母親に伝えた。


「王太子殿下が王宮を出発されたそうです」

「あか……エマ、着替えを」

「はい!」


 今回作った洋風ラーメン。

 親子水入らずで食べるのでもいいけれど、新しく家族になるセシリオ、それに大切な友達であるヴェルナーも招待し、みんなで食べたいと思ったのだ。


 そこで二人には「アナのお屋敷で、新しい料理にチャレンジすることにしたの。もしかしたら失敗するかもしれないけれど……よかったら、一緒に食べませんか?」と、声を掛けたのだ。


 するとセシリオとヴェルナーは「「喜んでお邪魔する!」」と、即答だった。


 そんなわけで、二人がまもなくやって来る!


 急いでドレスに着替え、エントランスホールでセシリオとヴェルナーを迎えることになった。


 着替えを終えた母親と私は、なんと色違いでお揃いのデザインのドレスに着替えていた。

 いわゆる双子コーデ!

 桜色を思わせるドレスは母親が、藤色を思わせるドレスが私。


 “ラブマジ”ではやっぱり、この配色だよネ。


 そして私は、セシリオにプレゼントしてもらったロイヤルムーンストーンのイヤリングも、しっかりつけている。


 一方の母親は……。


「え、そんな若い髪型無理よ」「お母さん、若いから大丈夫!」と言うことで、アナのトレードマークとも言える、ツインテールにしてもらった。そうなると母親は、まさに絵に描いたような、アナ・ココ・ディアスになる!


 父親……リベルタスは、いつも通りのシンプルな黒のスーツ姿だけど、それでカッコいいのだから!


 本当になんだか不思議!


「エール王太子殿下、ご到着です」

「ホルス第二皇子殿下、ご到着です」


 元攻略対象二人が、華麗にエントランスホールにその姿を現わす。


「今日はお招きいただき、ありがとうございます」


 世界を照らすような、明るく輝かしいセシリオの笑顔!


 サラサラの金髪、碧眼の整った顔。

 シャープな顎のラインに高い鼻。


 今すぐひれ伏し拝みたくなる。


 それに。


 スカイブルーのセットアップが、痺れる程よく似合っている!


「やっぱり殿下はイケメンね」

「でしょ」


 思わず母親と、前世で一緒に行ったファンイベントにいるような気持ちになり、コソコソ話。


「本日はご招待いただき、ありがとうございます」


 端正な顔立ちで、大変甘い声をしており、イケボの代表格のヴェルナー!


 今日はアンティークグリーンのスーツ姿で登場。


 その衣装は、襟足の長い銀髪、エメラルドのような瞳のヴェルナーに、実にピッタリだ。


「お待ちしていました。王太子殿下、第二皇子殿下。ダイニングルームへご案内いたします」


 母親はいつものアナに戻り、笑顔で二人を迎えた。


 ◇


「これは……初めて食べた料理だ。パスタ(麺)が珍しい感触だね。でもスープの味と合っているよ。とても美味しいな」


「この豚肉も濃厚な味付けで、パスタとも合います。しかも野菜。このスープと野菜も合っていますね!」


 セシリオとヴェルナーは、初めて食べる洋風ラーメンを、とても気に入ってくれた。麺については色も白く、うどんみたいだけど、かんすいという物がないから仕方ない。この世界でひとまず用意できるもので作ったのだから。でも私達親子……アナ、リベルタス、私の三人の手作りだと知ったセシリオとヴェルナーは……。


「次回は僕も調理から参加したいな。料理の経験はないけど、頑張るよ!」


 セシリオがそう言えば、ヴェルナーまで「わたしも挑戦したいです。ぜひお誘いください」と言い出したのだ!


 王太子と第二皇子が料理!?と思ってしまうが、それはそれで楽しそう。


 何より。


 まさか推しと攻略対象と料理を作れるなんて、激レア!


「「勿論ですよ、殿下!!」」


 母親と声を揃えて返事をしてしまい、二人は勿論、父親も笑っている。


 転生したこの世界で。

 親子三人でこんな風に笑えるなんて。

 推しと攻略対象とラーメンを食べられるなんて。


 夢のようであり、そして……とても幸せだった!

お読みいただき、ありがとうございました~

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元の拉麺を知らない異世界人には、成功失敗はわからないからね(笑) とりあえず、美味しい物であれば『新しい』珍しい料理でしか無いのだし。 「スキル『チートなし』は、チートな異世界転生者たちの天敵でした」…
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