第59話「本物」の自撮り棒wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
「うひいっひひっひひひいっひいいぃっぃぃい!!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「のわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!」
興奮しているのか、楽しいのか、完全に狂ってしまっているのか、それともついに神の境地へたどり着いてしまったのか…
僕の沙織と佐藤さんはめっちゃ大騒ぎしながら、時々自分の持っている銃を撃ち鳴らしつつ、川にそって川下に向かって走り続けていた。
2人の「本物」が織りなす「本物」の狂気に満ちた世界。
僕は2人のあとをひたすら追いかけることしかできなかった。
すると川を制圧していたISでLFOなものが1機、颯爽と水面を疾走し、僕達に近づいてきた。
そして僕達の目の前でめっちゃ格好いい感じでターンして止まったんだけど、もうなんかロボット工学の最果てを見ているようで何だか感動すら覚えるな…
「おいwwwwwwwwwwwwwwwちょっと待てwwwwwwwwwwwwwwwwww写真を撮らせてくれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwしばらくこんな機会はないから頼むよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
あー、これはどこか世話好きな感じの宇宙服の沙織だな。
全員調査兵団の格好してるんだけど、なんとなく見分けがつくんだよな。
一晩中じっくり話したから12人の差がわかるし、12人とも雰囲気が違うんだよな…
「大丈夫だぞwwwwwwwwwwwwwwww撮影班が我々の活躍を隈なく撮影しているwwwwwwwwwwwwwwwwwwwあとでいくらでも欲しいカットや動画を頼めばいいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織が病んだ笑みを浮かべながら、ISでLFOな宇宙服の沙織にそう言ったんだけど、宇宙服の沙織は「違うんだ」とばかりにバタバタし始めた。
おい…というか撮影班ってなんだよ…
誰がどこでどうやって撮影してるんだ?!
その写真って未来に持ち帰ったりしても大丈夫なのかな!!!!
「いやwwwwwwwwwwww今このメンバーで撮影したいんだwwwwwwwwwwwwwwwwww10秒もかからないから頼むよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
宇宙服の沙織が僕の沙織に懇願すると、佐藤さんがめっちゃその話に乗ってきた。
「のわあああああああああっ!!!私も写真欲しかった!!!!それ!あとで私にも送って!!!」
佐藤さんが25オートを撃ち鳴らしながら宇宙服の沙織に頼むと、宇宙服の沙織は病んだ笑みを浮かべながら頷いた。
「いいぞwwwwwwwwwwwww若菜ちゃんにも送るよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwなあ戦争服の沙織wwww頼むよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「やった!!!ありがとう!!!!」
「しょうがないなあwwwwwwwwwwwwwwwwwすぐに終わらせるんだぞwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
佐藤さんはめっちゃ喜び、僕の沙織もまんざらではない様子で答えると、宇宙服の沙織はめっちゃ嬉しそうにしながら僕達をジェスチャーで誘導し始めた。
「じゃあこの辺に1列に並んでくれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこの白式ニルヴァーナにはこんな機能も仕込まれているwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwまさにこのために私が作ったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕達は宇宙服の沙織に言われるがままに横1列に並んだ。
宇宙服の沙織は僕の真後ろに立つと、「ギュイーン」とISでLFOなものの肩のあたりから何か棒のようなものが飛び出すように稼働して僕達の1~2m先まで伸びていった。
その先にはスマホのようなものが設置されていた。
あ!これって自撮り棒じゃん!!!
作ったってあれか?宇宙服の沙織がこのISでLFOなものを作ったのか?
でも自撮り棒なんて、そのへんで買ってくる方が安上がりなんじゃないのかな?
その金と技術に物を言わせて、何でもかんでも作っちゃうのって、どうなんだろうね!!!!
宇宙服の沙織!!!!お前の欲望のためにどれだけの時間と予算と技術が無駄に使われてるのかな!!!
「じゃあ撮影をwwwwwwwwwwwwww私の世界線の神アニメ『地球防衛少女みあみあ』で有名なみあみあ様コールで撮影を実施する!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww1,2,3,みあ!みあ!でシャッタを押すからなwwwwwwwwwwwwwwwww」
宇宙服の沙織がそう言うと、僕達は自撮り棒の先のスマホのようなものに注目し身構えた。
どうも写真を撮るとなると、本能的にについポーズを取ってしまう。
あれ?「地球防衛少女みあみあ」ってなんか聞いたことがあるような気もするんだけど、僕達の世界線にも存在したっけな?
「いーーち!!!!にーーーーい!!!!さーーーーん!!!みあ!!みあ!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
宇宙服の沙織がそう言うやいなや、僕の真後ろから暗黒オーラが漂い始めた!!
ISでLFOなものの腕が撮影に集中していた僕を抱き上げる。
めっちゃ病んだ笑みを浮かべた宇宙服の沙織の顔が近い。
宇宙服の沙織の目のあたりには黒い影がかかり凶悪な光を放たれていた!!
スマホのようなもののシャッターが次々と連写される。
一瞬にして宙に浮いたような感じとなり、僕は全く身動きが取れなかった。
かなり意表をつかれた顔をした僕の沙織と佐藤さんが目を見開き僕を見上げる。
そのまま宇宙服の沙織はISでLFOな腕で僕を抱きしめると、満足そうに病んだ笑みを浮かべた。
「やったwwwwwwwwwwwwwどの世界線の差身もイケメンだなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
宇宙服の沙織はそう言うと僕を地面に置きながら自撮り棒をしまうと、すぐに川の中へ逃げていった。
「おい!!条約違反だ!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwww人の差身に手を出すなって言ってるだろ!!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
川岸からそこまで本気ではないんだけど怒った沙織がM16-A4沙織改を宇宙服の沙織目掛けて撃ちまくると、佐藤さんも続けてオート25を宇宙服の沙織目掛けて撃ちまくった。
2人の目のあたりも黒い影がかかり凶悪な光を発していた!!!
「のわああああああああああああああああっ!!!!自分だけずるいぞ!!!!!写真はちゃんと送るんだぞ!!!!!!」
宇宙服の沙織は川面をスイスイと蛇行しながら逃げていて弾が当たりそうにないんだけど、生き残っている太田道灌軍の武士達が流れ弾にあたり結構な人数が鶴見川の底に沈んでいった。
君達さ!!!感情表現を銃撃によって表すのは止めた方が良いと思うんだ!!!!
ちょっとした事件が起きるごとに撃ちまくったら、全く関係ない人が死んでいくと思うんだよね!!!!
敵とはいえ、そんな理由で流れ弾に当って沈んでいった太田道灌軍の武士達が哀れに思えるんですけど!!!
「ハアハアハア…宇宙服の沙織めwwwwwwwwwwwwwwwwwあいつ最初から仕組んでやがったなwwwwwwwwwwwwwwとりあえず陸自の沙織達と合流だwwwwwwwwwwwwwwwwみんな急ぐぞwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
再び駆け出す僕の沙織を僕と佐藤さんは後を追った。
しばらく走るとさっきの塹壕にたどり着いた。
ISでLFOな部隊が川下に太田道灌軍を追いやったので、うまい具合に塹壕があるあたりに太田道灌軍は固まりつつあった。
沙織達も単に圧倒的な戦力で追いやってるんじゃなくて、ちゃんと戦略と戦術を練り込んだ上で戦ってるんだな。
もちろん敵を「簡単に殺さない」という悪魔のような「本物」の戦略も組み込まれている。
だから塹壕の中にいる沙織達もそこそこ撃って太田道灌軍を弱らせてるだけだし、水上と向こう岸で太田道灌軍をある程度制圧しているISでLFOもほとんど威圧してるだけなんだよな…
僕達も塹壕に入ると陸自の沙織の所に駆け寄った。
「すまないwwwwwwwwwwwちょっと遅れたwwwwwwwwwwwwwwwww宇宙服の沙織が余計なことをwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織が申し訳なさそうに陸上自衛隊の沙織に頭を下げると、陸上自衛隊の沙織は気にするなという感じで頷いた。
「おいおいwwwwwwwwwwwww早くしないと全員殺してまうぞwwwwwwwwwwwwwwwwwww 戦争が終わっちまうwwwwwwwwwwwwwwwwwでもこれで太田道灌軍がこちらに上陸することはなさそうだなwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「いやあ申し訳ないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwでは次の作戦に移ろうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww差身も若菜ちゃんもこっちに来るんだwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「戦争服の沙織急げ!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww他の沙織が待ってるぞ!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
そう僕達を激励する陸上自衛隊の沙織に別れを告げ、他の沙織達ともスレ違う際に声を掛けあいながら塹壕の中を走った。
どこまで走るのかと思ったんだけど、ちょうど塹壕の真ん中くらいで僕の沙織は止まり、塹壕から顔を出して川の様子を眺めた。
結構太田道灌軍は人数が減ったんだけど、まだまだ数百人はいるみたいだ。
その太田道灌軍も川に流されそうになりながらも、生き残るためにしぶとくこちらに向かってきていた。
「沙織、これからどうするんだ?」
僕は全く何をするのかわからないのでそう聞いた。
「ああwwwwwwwwwwwwwwwwww次は突っ込むんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「突っ込むってなんだ?」
「差身もなるべく石を拾っとけwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwみんなで塹壕を出て川の中に入りあいつらと殺し合うんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「のわああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!沙織!!!!それおもしろそうだな!!!!!!近い方が弾も当たるしな!!!!」
おい…何言ってるんだよ…
こんなに戦いを有利に進めてるのに、どうしてそんな一騎打ちみたいな真似しなきゃいけないの?
太田道灌軍に囲まれたら、あっという間に切り刻まれて、即効死ぬ気がするんですけど!!!!
佐藤さんも死ぬこととか全く考えてないんだね!!!!!!
刺激?!刺激がほしいの?!
何なのこの「本物」の戦争コース?!
何もかもサプライズ過ぎておかしくなりそうだよ!!!!!!!
もう充分!!!!あとは本当に死にでもしないと満足できなくなっちゃうんじゃないのかなあああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!
「差身wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww1分だけ待つwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww死にたくなければ石を拾えるだけ拾えwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww盛り上がるwwwwwwwwwwww生きるか死ぬかの戦争に突入するぞwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
僕の沙織のキレイな瞳は爛々と「本物」の光に満ち溢れ瞳孔が開いていた。
佐藤さんも当たり前のように25オートに銃弾を装填している。
考えてる暇もない。
頭は麻痺していたが、僕はその辺に落ちている石を片っ端から拾い始めた。




