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幼馴染みの彼女が僕を殺しにやってくる!  作者: ぱんだ祭り
「本物」の入学式編wwwwwwwwwwwwww
25/204

第25話「本物」の武士登場wwwwwwwwwwwwwwww

 僕の「死亡フラグ回避センサー」も死んだふりをし続けることを選んでいた。 

 とりあえず、嵐が過ぎ去るまでこのままの方が良さそうだな。

 かなり近い。男達の騒がしい声がはっきりと聞こえてきた。 

 僕はかなり緊張していたんだけど、沙織は暗黒オーラが大爆発していて、今にも大暴れしそうなのを堪えているのが分かる。

 

 しばらく沙織とぐったり倒れていてると「ガサガサガサ」と近くの茂みで何かが動く音が聞こえ、3人の男が現れたんだけど…

 なんか通常ではなかった。

 それはまさに「本物」であった。

 野生を感じる目つき…この鬱蒼とした山の中を狼のごとく軽快に動く身体能力、そして…

 何故か3人とも刀を持っていた…

 粗末なものながら鎧のようなものも着ている…

 

 コスプレかな?

 いや…コスプレイヤーの「本物」の本気度もかなり「本物」で凄いんだけど、それとはまた別次元の「本物」のヤバさを感じる…

 なんていうのかなあ…何人も何人も戦場で敵を殺し続け、修羅の世界を縦横無尽に駆け抜けているような…

 そう…それはまごうことなき武士であった…

 ああああああっ!!!!なんか「本物」の武士が目の前にいるんですけど!!!!!


 いやあ、戦国時代にでも来ちゃったのかな…

 この人達、毎日戦ってるだけあって、めっちゃ肝が座っている感じがしてとてつもない威圧感だよ。


 じゃあ僕達はこの人達に弓で狙われて、死んだかどうか確かめに来られたってこと?

 このままだとこの人達に僕達殺されちゃうんじゃないの?!

 ヤバイ!ヤバイよー!!!!

 あんな人達と戦っても勝てるわけないから、ひたすら死んだふりを続けるしかないな… 


 3人の武士は僕達と、ある程度距離を空けてピタリと立ち止まり、死んだふりをしている僕達とお堂に刺さってる矢を交互に見ていた。

 おお、さすが武士だけあって、自分に危険が及ばないように本能的に距離を取るんだね。


「不思議な服装をしているな。捕らえれば大きな手柄になるかもしれない」


「まだ生きているだろう?矢は刺さっていない。弱っているかも知れぬが縄で縛るとしよう」


「そうだな。武器は持っていないようだが気をつけて捕らえよう。慎重にそろりと行くぞ」


「2人共か弱い体をしている。どうやって生きてこれたのか分からんな」


 3人の武士は落ち着いた様子で色々言い合ってるんだけど、僕達を取り囲むように3方向に別れじわじわと僕達に詰め寄ってきた。

 

 ああああ…これはあかんやつですよ…

 何にも悪いことしてないのに、武士に捕まるとかって何?!

 まさか僕達打ち首とかになったりしないですよね!!!!!

 ああああああああああああっ!!神様あああああああああああっ!!!!!神様ああああああああああああアアアッ!!!

 ご先祖様ああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!

 

 その時、悶々としながら死んだふりを続けていた沙織の目が「ギラッ」と凶悪に光った!!!!


「ニャンパス!!!!!!!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwくだらない罠にかかりやがってwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織はそう叫ぶと一気に起き上がり片膝をついた状態になり、さっきバックから取り出し体の下に隠していたものを手に取っていた。

 それは大きな拳銃だった。

 沙織は慣れた様子で構えると武士に向かって引き金を引いた!!!!!!!


 ズバアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!ズバアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!ズバアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!


 物凄い轟音とともに沙織の体が吹き飛びそうになるが、沙織は上手くバランスを取りながら次々と武士達を撃ち抜いていった。

 

「具の餌となれええええええええええええええええええええええっ!!!!!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織は興奮した様子で叫びながら立ち上がると、残りの銃弾を空に向かって撃ちまくった!!!!

 そして少し精神的に落ち着いたのか、沙織は息を切らしながら下を向いて「ハア…ハア…」と呼吸を整え始めた。


 具ってあれか…お前に何度も何度も見せられたのんのんびよりのれんちょんが飼ってる狸のことだろう…

 そうだね…具の仲間もこの山の中にいっぱいいるだろうから、具の仲間の餌にはなるかもしれないね…

 

 でもさあ…それより…

 この人達死んじゃってるんじゃないの?!!!!!!!

 沙織!お前!!ついに人を殺しちゃったよ!!!!!

 どうすんのよ!!!

 殺した!殺しちゃったよ!!!!

 うわああああああああああああああああああああああっ!!!

 人が死んじゃったよ!!!!!


 僕があまりのことに突っ込むどころか、身動き1つできずに立ち尽くしていると、病んだ笑みを浮かべながら沙織がスッキリした様子で僕に近づいてきた。


「悪いな差身wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwデザートイーグルは威力があるんだが外れることもあるから複数人だと引き寄せてから撃った方が良いんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww全く私の許可なく差身を殺そうとしやがってwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww差身が私のことを忘れたらどうするんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwもうwwwwww 戦争(デート)服が汚れたwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織がいつものようにわけが分からないことを言いながら、平然とした様子で服についた汚れを払った。

 そして周りに倒れている武士達のことなんか見えないみたいに、僕にベタベタとくっつき始めた。


「さ…沙織…おまえ…人を殺しちゃったぞ…」


 僕は自分で自分の声が震えているのが分かっていたんだけど、あまりの緊張状態でどうすることもできなかった。


 目の前で3人の人を沙織が殺した。しかも銃で。

 沙織が銃を撃つ所は今まで「あってはならない事件」の度に何度か見てきたんだけど、人を撃ち殺した所は初めて見た。

 僕は特にどこかの宗教を信仰しているわけではないんだけど、人間が人間を殺すことはあらゆる神が許すことがない絶対的な悪だろう…

 沙織は今まさにその絶対にやってはいけない「本物」の禁忌を犯したのだ。

 死んだあとに地獄へ行くくらいではすまない大罪を犯したのだ… 


 しかし沙織は表情1つ変えずに、僕にくっついたまま僕の方がおかしいとでも言いた気に病んだ笑みを浮かべていた。


「知ったことかwwwwwwwwwwwwwwwww ()らなければ我々は死んでいたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそれより差身のことを馬鹿にできなくなってきたなwwwwwwwwwwwwwwwwwww少し散策したら戻ってちゃんと装備しないと危ないかもしれないなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織は全く人を殺してしまったことに対して、1ミリも反省していなかった。

 まさに「本物」の悪魔。

 僕は沙織に何を言って良いのかわからなくなった。


「沙織…人が死んでるんだ…」


 かろうじて僕がそう言うと、沙織は不思議そうな顔をした。


「差身は何を言ってるんだ?wwwwwwwwwwwwwwwww殺したんだから死ぬのは当たり前だwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそれにだwwwwwwwwwww人が人を殺す時代なら人を殺さなければ生きていけないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwあいつらが殺しにきたんだから殺すのは当たり前だwwwwwwwwwwwwwwwwwwそれが今いる世界の『本物』のマナーだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


「マナー…」


「そうだwwwwwwwwwマナーだwwwwwwwwwwwwwwゲームやアニメは違法ダウンロードしないwwwwwwwwwwwwwwwwお年寄りには席を譲るwwwwwwwwwwwwwwww好きなアニメの円盤は必ず購入wwwwwwwwwwwwwwwwww殺されそうになったら殺すwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww全て『本物』の常識だwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそれより早く戦争(デート)を再開しようwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 人を殺してしまったことなんてお構いなく、僕との戦争(デート)の続きをせがむ沙織。

 

 そうだね…殺されそうになったら殺さないとこっちが死んじゃうからね…

 僕も死にたいわけじゃないんだ…

 殺したから死んだというのも、全くもって整合性がとれた話だと思うよ…

 でもさ…何か狂ってる気がするんだ!!!!!

 どうして、デザートイーグルなんていう銃を持ってるの!!!!

 しかも、めっちゃ撃ち慣れるし!!!!!

 

 そして!!そして!!!

 

 何で人間を殺すことに躊躇いがないのかなあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!


 今起きた「本物」の事件などなかったかのように、僕にデレまくりの沙織。

 しかし、僕達は茂みの奥から、ある者達に監視されているなんてまだ気がついていなかった。

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