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幼馴染みの彼女が僕を殺しにやってくる!  作者: ぱんだ祭り
「本物」の入学式編wwwwwwwwwwwwww
23/204

第23話「本物」の沙織の本心wwwwwwwwwwwwwwww

 その日の夜の事だった。

 沙織が僕を家の前まで迎えに来てくれた。

 運転が得意なコブ付きで…

 もう間違いなくコブは沙織の手下なんだろうな…


 沙織はいつもよりめっちゃかわいい格好をしてやってきた。

 春らしい色合いのコディネートで、スカートがフワフワしていた。

 とてもこれからニャンパスの穴に入ろうとは思えない姿だ。

 

 僕はニャンパスの穴の中で何があっても大丈夫なように、水や食べ物、ナイフ、僕が唯一扱える武器である当たると痛い小石を少々、ライター、簡易ガスバーナーなど、リュックいっぱいに詰めてきた。

 服装も身軽に動けるように、学校のジャージを着ていた。

 あのニャンパスの穴の中で迷子になったら間違いなく死ぬので、数日は生き延びることができるように家にあったものとお小遣いで買ったものをかき集めたのだ。


 しかし沙織はそんな僕を怒ったような目つきで見ると、僕と一緒に例の白いワンボックスカーの後部座席に乗り込んだ。


「差身は何でそんなに大荷物なんだ?wwwwwwwwwwwwwww重いから少し置いていけwwwwwwwwwwwwwwwwwwせっかくの戦争(デート)なのになんという格好をしているんだwwwwwwwwwwwwwwwwwww私をデレさせるという目的を忘れているwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織がぷんぷん怒りながら、僕が常識ないみたいな言い方をしてきた。


 いや…お前をデレさせるより、佐藤さん救出が先でしょ?

 何でお前をデレさせることが最優先なの!!!

 完全に佐藤さんのことはどうでも良くなってるな…

 既に僕とニャンパスの穴の中で遊ぶことしか考えてないんだろうな…


「だって迷子になったらどうするんだ?あの中で水が飲めなくなったりしたら大変だろ?」


「何言ってるんだ?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwのどが渇いたらこっちに戻ってきてコンビニでも行けばいいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwまあニャンパスの穴の部分以外は秘密基地も完成したから買ってくる必要もないがなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww色んな物が備蓄されているwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織はずいぶん自信あり気にそう言った。

 本当に沙織はあの恐ろしい極彩色の渦の中を自由自在に移動できるんだろうな。

 さすがの沙織もニャンパスの穴の中でのたれ死にしたくないだろうしね。


「そ…そうなのか??」


「まあでもwwwwwwwwwwwwwww私達がニャンパスの穴に入っているうちにwwwwwwwwwwwww外からニャンパスの穴を塞がれたらどうなるかわからんがなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


「おい!沙織!大丈夫なのか?誰か来てニャンパスの穴を塞がれたらまずいぞ!」


「慌てるな差身wwwwwwwwwwwwwあんなところ誰か来ることはまずないwwwwwwwwwwwwwwwwwさっきパパに頼んで兵隊を3倍に増やしたwwwwwwwwwwwwwwwww自衛隊が一個小隊乗り込んできても充分にニャンパスできるwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


「兵隊…なんだそれ?…沙織…お前のお父さんって本当は何やってる人なんだ…」


「差身は気にしなくていいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそれにこの世界に戻れなかったら他の世界線にでも行けばいいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww私は私の差身がいればどこでもいいんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織…お前が何を言っているのか、まだよく理解できてないんだけどさ…

 お前は何だか凄く逞しいことを言ってるけど、僕はこの世界で普通に生きていたいだけなんだ…

 それにしても沙織のパパって一体何してる人なんだ?


 学校に到着すると、秘密基地の入り口である用務員室へ向かった。

 途中で長くて大きい日本の市街地にあってはならない銃を持った東南アジア系の人達が何人も立っていた。

 それを沙織に言おうかと思ったんだけど止めておいた。

 これ以上僕の心に負担をかけると、間違いなく僕が崩壊するので後回しにすることにした。


 用務員室に入るとコブが何かしようとしたが、沙織がコブに何もしないように僕の分からない言葉で指示をし制した。

 そして沙織がスマホを取り出し素早く何かを打ち込むと、部屋の奥の畳が機械音とともに「ウィーーーン」と持ち上がり地下へと続く階段が現れた。


「パパにスマホを設定してもらったんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこれでコブがいなくても自由に出入りできるwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織は僕の手を引きながら、機嫌良さそうに階段下に降りていった。

 

 だから何なんだよ…

 お前のパパってなんなの?

 ただでさえこっちは気が狂いそうなのに!!!!

 僕をコツコツと弱らすような精神攻撃はやめて!!!!

 僕を殺しに来る手助けも、きっとお前のパパが絡んでるってわかってきたよ!!!!!


 階段を降りると昨日と秘密基地の様相が変わっていた。

 真っ白なシンプルな作りではあるが、おしゃれな照明でキレイにライティングされていた。

 PC、ゲーム、60型のテレビ、冷蔵庫、エアコン、ベッド、ソファー…

 これって僕が一生住めないような都心にある超高級マンションみたいだね… 

 充分ここで快適に生活できるよ…


 でもさ…

 向こうで重なってる大きな木箱は一体何なのかな!!!!!!

 その上にライフルっぽいのが壁にいくつもかかってるんだけど、あれってモデルガンなのかな?

 きっと違うんだよね!全部!全部!「本物」の銃なんだよね!!!!!

 ああアアアッ!!狂ってきた!狂ってきた! 


「私もお茶でも持って行くかなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwリヴァイ兵長の紅茶花伝でもwwwwwwwwwwwwwwwwwwはやくオリジナルボイズドラマを聞かねばwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織はそう言うと冷蔵庫からペットボトルを1本取り出し肩から下げてるおしゃれなカバンに入れた。


「じゃあwwwwwwwwそろそろ行くかwwwwwwwwwwwwwwwww」


 それはあまりにも気軽な物言いだった。

 沙織が僕に病んだ目で微笑んだんだけど、僕は少し沙織から距離を離した。

 いや…やっぱりあんなところに入ったらまずいと思うんだ…


「え!もう行くのか?早くないか?」


「何言ってるんだ差身?wwwwwwwwwwwwww大丈夫だwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww怖がることはないすぐに慣れるwwwwwwwwwwwwwwwwww少しだけ我慢すればいいんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwそうwwwwwwwwwwww怖いのは最初だけwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織が病んだ笑みを浮かべながらゆっくりと僕に近づいてきた。

 僕は後ずさりしながら沙織を説得しようとしたが、そんなことしても無駄なのは分かっていた。


「待って!!待ってくれ!!!沙織!!!!少し時間をくれ!!!!」


「駄目だwwwwwwwwwwwwwwwwww早く入らないと佐藤若菜ちゃんをニャンパスしてくるぞ!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww早く入れ!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwほらあああっ!!!wwwwwwwwwwwwwwほらあああああああああああああああああああああっ!!!!!!」


 沙織はそう叫びながらコブに目で何か指示をすると、コブや周りにいた東南アジア系の人達が僕を取り囲み身動きできないように取り押さえ軽々と僕を担ぎあげた。

 そしてニャンパスの穴の方へ僕を運び始めた。


「やめろおおおお!!!助けてくれ!!!!!!!沙織!!!!お前コブにやらせただろ!!!!!こんな風に佐藤さんも落としたんだろ!!!!やめろおおおおおおおおお!!!やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


 僕はめっちゃ抵抗したんだけど、全くどうすることもできなかった。

 沙織は僕がコブ達に運ばれる様を病んだ笑みを浮かべながら腕を組み眺めていた。

 

「うっひいっひひいっひいっひいwwwニャンパス!!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww昨日落ちた腐れビッチは眠らせて落としたから楽だったぞwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww差身も諦めるんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwニャンパスの穴で私をデレさせないと一生ここから出れなくするぞwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 あ!なんか沙織の本心が見えた気がした。

 ここに落ちたら沙織の言うことを全部聞かないと、僕が大変なことになる!!!!

 なんかとんでもない要求をつきつけられても、それを飲むしかない。

 沙織の機嫌を損ねたら「ニャンパスの穴の中で永遠に彷徨う」という無限地獄が待ち構えている。 

 まさに「本物」の戦争(デート)!!!!!

 沙織をデレさせて気分良く戦争(デート)しなければ、僕は生きてこの世界に帰れないんだ!!!!


「最高神れんちょん様のご加護をwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

 

 僕が穴に落とされる直前、沙織が僕に手を合わせながらわけがわからないことを言った。

 何が最高神れんちょん様だよ!!!!

 どうして拉致られるように落とされなきゃならないの?

 あと佐藤さんを眠らせてって何?

 クロロホルム?クロロホルムなの?!

 どうして普通の高校生らしいデートをしようとしないんだアアああああああああああああああっ!!!


 必死の抵抗も虚しく、僕はおぞましい極彩色の渦の中に頭から落とされていった。

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