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幼馴染みの彼女が僕を殺しにやってくる!  作者: ぱんだ祭り
「本物」の入学式編wwwwwwwwwwwwww
17/204

第17話「本物」のいやがらせwwwwwwwwwwwwwwwww

 高校に入学してから、数日経ったが沙織からの襲撃の数が減った。

 沙織もなーんか色々忙しいようで「大事な仕事があるwwwwwwwwwwwwwww」と言って、すぐに僕から離れることが多くなった。

 明らかに何か不穏な動きなんだけど、何をしてるのか全然分からない。

 まあでも、間違いなく何か仕込んでるんだろうな。

 そうはいってもすぐにコンバットナイフをチラつかせてくるし、週に何度かは確実に「あってはならない」爆発音が家の周りで聞こえてくるので、僕は毎日「幼馴染みの彼女が僕を殺しにやってくる!」という絶対に逃げられない狂った現実に怯え続けていた。

 この間は学校帰りに橋の上から鶴見川へ突き落とされそうになったしな。

 見てる人達は「リア充がいちゃついてる」としか思えないだろうけど、こっちはリアルで生きるか死ぬかの瀬戸際だった。


 しかし少なくとも表向きは順調であった。

 沙織も高校に慣れてきたのか露骨に怯えることはなくなってきた。

 思ったより沙織はクラスでうまくやれているようだ。

 今まで僕とずっと同じクラスだったから、逆にそれが沙織の「本物」を加速させていたのかもしれない。


 沙織のお母さんは正しい選択をしたのだ。

 沙織と僕を完全に切り離すのではなく、別のクラスにするくらいから始めた方が沙織も自立しやすい。

 もしかしたらわざと僕と沙織が別なクラスになるように、沙織のお母さんが学校に頼んだんじゃないのかなあ?と最近思えてきた。

 

 でも沙織はなんだか登校前に学校に行きたくなさそうな素振りをしていた。

 それでも一緒に学校に通うんだけど、何も相談してこないので登校中に僕の方から聞いてみた。


「沙織、クラスで何かあったのか?」


 僕がそう聞くと、沙織は疲れたような顔で病んだ笑みを浮かべた。


「ああwwwwwwwwwwwwwwwwあいつだよwwwwwwwwwあいつwwwwwwwwwwwwwww佐藤若菜ちゃんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこういうのはいつものことだからいいんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 ああ、緊急会議の日に最後に映っていた僕を睨んでた子か。

 ちょっと怖そうな感じもするから、沙織の苦手なタイプだな。

 きっとお互いに相容れない部分があって、うまくいってないんだろうな。 


「あんまり仲良くできないのか?」


 僕が優しくそう言うと、沙織は僕が全然分かっていないという感じで残念そうに首を振った。


「違うんだ差身wwwwwwwwwwwwwwwwwwあいつは私が憎いんだwwwwwwwwwwwwww色んないじわるをしてくるwwwwwwwwwwwwwwwwww私のカバンを見てくれwwwwwwwwwwwwwwwこれ切ったのもあいつだwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織が登校の時に使っている学校指定のカバンを僕に見せてきた。

 沙織の体側に向けられていた方が、何らかの刃物か何かで大きく切られていた。

 

 あれ…これ酷い嫌がらせだな…


「本当にやられたのか?そんなわけないだろう?」


 僕は沙織が中学生まで何度か酷い嫌がらせを受けていたのを知っているので本気で心配になったんだけど、本当に佐藤さんがやったとしてそこまでする理由がわからなかった。

 沙織も他のクラスメイトとは何とかうまくやれてるみたいだし、何でこんなことが起きるんだろう?


 沙織の目のあたりには黒い影がかかり、落ち込んだようにうつむき始めた。


「いやwwwwwwwwwww動画で確認したwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww間違いなくあのビッチだwwwwwwwwwwwwwwwwww昨日私がいない隙にやりやがったwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織は嫌そうにため息をつくと、顔をしかめ僕を見上げた。


「なあ差身wwwwwwwwwwwwwwあいつ殺したら駄目か?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwあいつだけでいいんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwどう考えても何もしていない私が嫌がらせされるのは間違っているwwwwwwwwwwwwwwwwwwwあってはならないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww神の裁きを与えるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織の目のあたりの黒い影が凶悪な光を放つ!!!!

 いつの間にか取り出したコンバットナイフを握りしめた手が小刻みに震えていた。


「駄目だよ!!!そんなことしたらお父さんに怒られて転校させられるぞ」


「ああwwwwwそうだったな…wwwwwwwwwwwwwwwwwでもパパも理由を言えば1人くらいニャンパスしても文句言わないと思うんだがwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


「だっ…だめだっ!!!沙織!!!沙織のことを誤解してるだけかもしれないから、しばらくすれば何もしなくなるんじゃないのか?」


 僕がそう言うと沙織は病んだ笑みを浮かべながら首を横に振った。


「差身はわかってないなwwwwwwwwwwwwwwwwww男は自分の好きな女が自分以外の男を選んだら女に対して恨みを抱くwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそしてwwww女は自分が好きな男が自分以外の女を選んだ場合wwwwwwこれまた女に対して恨みを抱くんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww私は今まで何度も腐れビッチ共に恨まれてきたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww差身がイケメンだからこその宿命wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww殺したい殺したいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


 沙織の佐藤さんに対する憎悪は高まる一方であった。


 ああ…そんなものなのかな?

 男女の関係はよくわからないよ。

 小さな頃から沙織につきまとわれ、このまま沙織につきまとわれ続け僕は死んでく可能性が高いし、人を好きになる経験値が僕は低いのかもしれない。 


 よくいじめの対応ができなかったと学校がバッシングされるが、実際に何とかしようと思っても物凄く難しい。

 今どき小さなクラスに何にも考えず、適当に生徒を放り込むからこういうことになるんじゃないのかなって思う。

 それが慣習といえば慣習なんだろうけど、誰か死んだりするくらいなら、もっと自由にすればいいのに。

 どうせ学校の先生だってなにか事件があったら「早く1年間が過ぎてくれないかなあー」なんて思ってるんじゃないの??

 

 まあ、今回も沙織のことは僕がなんとかするしかない。

 これから佐藤さんと話すようにして、時間はかかるかもしれないけど嫌がらせは止めてもらう方向で。

 学校なんてあてにならないのだ。

 

 佐藤さんに荒れ狂う沙織をなだめながら、僕達は学校に向かって歩き続けた。

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