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ラスト。
ーーそれは一瞬のことだった。
あやめと黒曜がそれぞれの魔具を振るうと、次の瞬間、巨大な魔物をおおっていたたくさんの魔物、それらが吹き飛んで六花たちがいる場所から、魔物までの一直線の道ができたのだ。
呆然としている六花たちに、竜胆が声をかける。
「いくぞ!」
その声に我にかえって、「はい!」と返事をして、琥珀を除く全員が魔物にむかって突っ込んでいった。
魔物のもとに到着する直前に、琥珀の狙撃によって魔物の攻撃が中断される。
まわりのたくさんの魔物は、あやめと黒曜によりどんどん滅ぼされていく。
そして、それからさほどの時も必要とせず、六花たちは巨大な魔物を倒し、ほかの魔物もあやめたちに殲滅させられていた。
喜びに歓声をあげる仲間たちを横目に、あやめは六花に告げた。
「もう、大丈夫です。
六花さんもお兄様も、命を落とすことはありません。
もう、時を繰り返すこともありません。
だから、大丈夫で」
「あやめちゃんって……」
「ーーたぶん、六花さんの予想通りですよ」
前の周回、六花は時の巻き戻しの中、助けを求めた。
その声にふたり、答えてくれた存在があった。
六花はそのふたり……、あやめと黒曜を見つめる。
そして、ふわりと微笑んだ。
「ありがとう、あやめちゃん、黒曜君」
あやめと黒曜はそっと六花に微笑み返した。
そして、時は進んでいく。
2年になった六花たちは、もはや実技で覚えることはないと、教師の補佐をすることになる。
六花がヒロインであるゲーム。
このゲームにはトゥルーエンドからつながる続編があった。
続編で増える攻略対象は、担任教師、非常勤の講師、後輩、そして生徒会長の四人。
その中でも生徒会長はメインヒーローとなっていた。
繰り返す時の中で、必ずそばにいた竜胆をずっと六花は選んでいた。
ただ、ゲームの内容からか、実際に結ばれることはなく、竜胆と六花の死により時が繰り返されていた。
竜胆を守りたいと思い、ほかの攻略キャラをえらんでも、同じ道をたどる。
ゲームをよく知るあやめの導きによって、その連鎖は切られた。
六花は、ようやく竜胆との未来をつかむことができたのだ。
end
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補足
あやめと黒曜は学校卒業後結婚予定。
いまはあやめを囮に、六家内の膿を出しているところだとか。
由美は瑠璃との攻略ルートにのっており、今後も仲を深めていくことに。
おなじく、双葉は琥珀と親しくなった。
琥珀自身、ゲームとは性格が違う(あやめと黒曜といく規格外が原因)のため、ゲームと異なるルートで、進んでいった。
転生者、華衣は晶と仲良くなっていた。
突っ込みがなかなか鋭かった華衣によって、ほかの女子に目がいく暇がなくなったことが原因の模様。
石榴は本格的にあやめにふられ、翡翠は我関せずとばかりに、のんびりと過ごした模様。
以上、各キャラのその後を多少書かせていただきました。
次の話については、構想中です。
書きたいかな、と思うものはありますので。
よろしければ、現在連載中のもうひとつ『おいかけっこ』を読みつつ、お待ちいただけると幸いです。
ここまで読んでいただけたことを、感謝いたします。




