49話 メッセージ
アプリは問題なく起動した。
読み込み画面の音楽が流れる。
懐かしいはずなのに、不思議と現実感がなかった。
未来で何度も見た画面。
だが今の自分は、その“過去”にいる。
ログイン情報は当然残っていない。
まだ存在していないアカウントだからだ。
私は新規登録を選ぶ。
名前入力の画面で、一瞬だけ手が止まった。
そして、未来で使っていたのと同じ名前を入力する。
決定。
それだけの操作なのに、妙に落ち着かない気分になった。
チュートリアルが始まる。
簡単な戦闘、キャラクターの説明、初回ガチャ。
昔は飛ばしていた内容を、私はぼんやりと眺めていた。
ひと通り終わり、自由に操作できるようになる。
アプリは問題なく起動した。
読み込み画面の音楽が流れる。
懐かしいはずなのに、不思議と現実感がなかった。
未来で何度も見た画面。
だが今の自分は、その“過去”にいる。
ログイン情報は当然残っていない。
まだ存在していないアカウントだからだ。
私は新規登録を選ぶ。
名前入力の画面で、一瞬だけ手が止まった。
そして、未来で使っていたのと同じ名前を入力する。
決定。
それだけの操作なのに、妙に落ち着かない気分になった。
チュートリアルが始まる。
簡単な戦闘、キャラクターの説明、初回ガチャ。
昔は飛ばしていた内容を、私はぼんやりと眺めていた。
ひと通り終わり、自由に操作できるようになる。
私はすぐにフレンド検索を開いた。
探したい名前があった。
未来で、自分に“過去へ戻る方法”を教えた女性。
あのメッセージを残した相手。
名前を入力する。
検索。
結果は表示されなかった。
やはり、まだいない。
私は小さく息を吐く。
当然だ。
この時代では、まだこのゲーム自体が始まったばかりなのだから。
少しだけ残っていた期待が静かに消えていく。
スマホを閉じ、囲炉裏の火を見る。
外では風の音がしていた。
結局、自分はここで生きていくしかないのかもしれない。
そんな考えが頭をよぎる。
それから数週間が過ぎた。
山木屋の冬は深く、雪も増えていた。
朝は雪かきから始まり、昼は星さんのところへ行く。
生活は変わらず続いている。
ある夜、私は久しぶりにスマホの電源を入れた。
なんとなく必要以上には触らないようにしていた。
本当に何となくだった。
通知が一件、表示されている。
ソーシャルゲームからだった。
私は少し眉をひそめる。
イベント告知か何かだと思った。
だが、開いた瞬間、指が止まる。
メッセージ。
個人チャットだった。
一瞬、呼吸が浅くなる。
送り主の名前を見る。
知らない名前だった。
未来で見た相手ではない。
それでも、なぜか嫌な予感がした。
私はゆっくり画面を開く。
短い文章が、一件だけ届いていた。
「やっと見つけた」
心臓が強く鳴る。
その文字を、私はしばらく動けずに見つめていた。




