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37逃げた者とバレた者

 次の日は朝から串焼きと肉の販売をしていた。


 夕方の販売が終了迄に何も起こらなかった、いや訂正、邪魔はなかった。



 昼休みに大神官長に呼ばれ、現状を聞くことになった、内容は。


 冒険者ギルドと商人ギルドの職員に例の黒幕の可能性リストを読ませるのは終わったたそうだ、大多数に拒絶されたが、拒否した者は役職に関係無く審議の椅子での尋問送りにされた。


 拒否しなかった者には、読み上げをしてもらった後、都市ライスの置かれている現状を話し、加担したと思われるギルドメンバーのリストアップをしてもらったそうだ。



 リストアップされた者は、都市の現状をふまえて、強制で審議の椅子を使って出される質問もあらかじめ読み上げて買い占め犯に加担したかのみの尋問をすると言う事で拒否をできなくしておこなわれた、


 その条件で拒否した者は徹底的に過去も含めて調べられた、それにより拒否した者は見事に過去に有罪だった事が分かった、


 罪が1度ステータスに出たが魔族をひたすら倒した事で罪を消した者達だった、罪を償わずにステータスから消す裏技である、


 だがステータスの罪が消えても国の決まりで元大罪の者は奴隷となり都市での管理になった。


 報告は以上だった。



 何故?、わざわざ僕に報告するのか不思議だったが、理由は解決する前に僕に都市を出ていかれると非常ーに不味い事がやっと理解したみたいだ、


 あと「任せっぱなしは罪」の発言も効いたらしい。



 とっまぁ、一応は健やかな日常での販売が終わり、神殿内の大浴場で汗を流し部屋で休んでいたら、健やかな日は1日持たず夜にブチ壊される事になった。



 部屋のドアが激しく叩かれ、大神官長の声で「アースくん、居るかね居たら返事を」と息を切らしながらドア越しに訪ねてきた。


「どうしました」とドアを閉めたまま聞くと、


「加護持ちの近衛騎士が村に向かったが、神殿騎士長に逃げられた、森の中にだ」


 ドアは開けずに「そうですか、討伐を頑張って下さい、では、明日の販売が有りますので、お休みなさい」


「えっ、あぁ、・・・おやすみ」と言い、しばらく大神官長はドアの前にいたが、重い足取りでドアから離れて行く足音が聞こえた。


「アースくん、討伐隊に参加しないの?」


「しないよ、加護持ちと一緒に討伐に参加しても奴は出てこないし見付からないから時間の無駄だね、


 僕が狩りの為に都市から出るか他の都市への移動する迄は近くに居ても現れないと思うよ、


 父に奴の鑑定結果を聞いたら、奴は高い感知系と潜伏のスキルも持っていたから、動かずに隠れられたら動くまではまず見つからないからね」


「ならどうするの、ずっとライスの都市から出ないの?」


「村の建設は人員不足で中断するから、ゴブリンを元の状態に戻す」


「何で?、まさかゴブリンにあいつが殺されるのを待つの?、それともあいつが離れるのを待つの?、野盗にでも成ったらかなり危ない奴に成るよ」


「倒すつもりだよ、倒し方は秘密、今は買い占め犯は全員捕まり、真面な肉屋さんが戻り登録してくれるのが優先、


 元神殿騎士長とやり合うのはその後だよ、都市のゴタゴタが解決して、こちらがしっかり準備して、奴があるていど消耗するまで待って、状況が有利になったタイミングで仕掛けて奴を倒すつもりだ」


「1つ聞いてもいい」

「何?」


「あいつ、感知系は何を持ってるの?」


「匂い、音、魔力、暗視に遠目だよ」


「えっ、何それ、そんなのチートじゃない、狡いわ、私なんかこの間やっと暗視が取れたのに、反則よ、そんなんじゃー奇襲は通用しないし、強さもあちらが上なんでしょ、勝ち目ゼロじゃない、駄目よ、無理よ」


「だからイリーナは、お留守番」


「いっ嫌よ、私も付いて行くわ、盾役ぐらいなら出来るわ、死ぬなら私が先よ、私が死んでも動きを止めるから、アースくんが黒刄丸で仕留めて」


「・・・、だからお留守番なんだって、勝てる算段は有る、但し、今のイリーナが居たら使えない方法だから、今回は駄目」


「また、待つだけなの?、盾にすら成れないの?」


「イリーナには別にお願いが有るんだ、ゴブリンから都市を守ってほしい、僕が傷付いても戻る場所の確保とぼくが戻った時におかえりを言ってもらいたい、


 奴には勝てる自信はは有るけど、都市はゴブリンの襲撃に遭う可能性がひじーに、高いんだ、数は分からないけどかなりの数になると思う、


 まぁ、僕が命令してタロとジロがゴブリンを都市の方に追い立てるから起こる現象なんだけどね」


「分かったわ、都市は私が守る、そしておかえりを言って抱きしめてあげるわ」


「言葉だけをお願い、あとの抱きしめる云々はいらない」


「ウー、ケチ」


 2人はお休みと言い眠りに就いた。






(父殿、主人は本当にあの化け物に勝てますか?)


(分からん、条件次第だ、条件が合えば楽勝だが、条件が悪くなれば殺されるな)


(父殿、ゴブリンの魔石はお持ちですか?)


(それなりの数が有るぞ、何かに使うのか?)


(ワイが食べて、剣と鞘と鎧下を強化します、主人に死なれたらワイが困りますし、英雄のチカラを世界の調和を壊す為に使うのは赦せませんから、奴の持つ魔剣の素の魔獣が可哀想です)


(タロとジロが最近魔石を食べていないから食べても問題は無いだろ)


(あー、御二方はもう進化する為の分の魔石を食べたんだと思います、レベルが上がり進化したらまた魔石を食べますよ)


(クロ、魔石を食べてどれくらいで強化出来る?)


(すいません、ワイも初めての事なので分かりません、全部が一遍に変わりますから変われば分かりますが、時期は分かりません)


(そうか、取り敢えず魔石を在るだけ出すから食べろ、強化は具体的にはどう強化されるんだ)


(武器の変化は主人の腕力が低いので斬れ味を少し上げる程度にします、本命は器用さを上げて盾や剣をウサ耳で使える様にしてます、


 ワイの身体は背中に貼り付き固定して耳で攻防の両方と手数を増やします、


 ワイの毛皮の鎧下とぬいぐるみタイプの体の手足を同化させていただいて固定するので、主人の動きを感じて主人の邪魔をしない様に動ける予定です)


(ならば、我がインベントリを使い武器のサポートと身体の制御の補正をすれば、近付かれても簡単にはやられんな)


(遠距離攻撃も今回は間に合いませんが練習すれば当たる様になると思います)


(我がアースに言って出来る限り軽い武器と盾、それと遠距離武器を手が空いたら作って貰おう)


(ワイが使える主人の負担にならない武器の重さは今はどれ位ですか?)


(まだお前が動く負荷がどれほどの物か分からなければ分からんな)


(では、今回の強化は力は今有る軽めの木の盾を使える程度にして、器用さと速さを上げます、主人の成長を阻害するので危ない時しか動きません、盾は普段は肩の防具みたいにしておきます)


(木の盾?、ああ、そうやって受けるのか、お前、後でアースに怒られるのを覚悟しておけよ、我は許可していないからな)


(えっ、見たら駄目なんですか?)


(駄目だな、我は共有だから仕方が無いが、お前は違うだろ、しばらくはインベントリの中で反省になるな)


(エッ、マジで?)


(マジだ!)


(やると地獄、やらなければずっと地獄、今からの許可では駄目ですかね?)


(お前はアースを騙しきれるのか?)


(言質を先に取れば何とかなります)


(健闘を祈る)




 朝早くにクロが僕を守る為に僕の知恵を借りたいと言って来た。


(知恵?、どんな知恵?)


(ワイが主人に背中に背負い袋みたいに貼り付き耳が伸びますからそれで盾か何かで守ります)


(元神殿騎士長の速く重い攻撃を受けれるの?)


(分かりません、ですから何か方法が無いかと思いまして)


(防御はいいから剣の長さと斬れ味を伸ばしてよ)


(あのー、すいません防御優先と思いそちらはあまり伸ばしていません)


(何故聞かなかったのかな?、僕は正面から戦う戦士じゃない、遠距離主体の狩人だよ)


(いや、あのー、主人が死ぬのだけは避けたくて)


(なら防御よりクロの魔獣だった頃の僕のよりレベルが上の隠密の重ねがけでしょ、秘策が無いのに役に立たない防御力を上げる?、いや、この場合は盾を使うから力と器用さか、・・・上げようとした理由は?)


(で・・・ですから、主人の安全の・・・)


(父、こいつ知識の閲覧した?)


(我はさせていない)


(クロが勝手に見たの?)


(すいませんでしたー、つい、面白い映像があり、見てしまいましたー)


(クロ、見たということは勝手に僕の中に入ったって事だよね、僕が知らない間、父が気が付かないようにやったんだよね)


(アッ・・・ワイ墓穴掘りました?)


(掘ったね)(掘ったな)


(お前、スキル隠せるな、他に何持ってる、言わないならインベ(言いまーす、隠蔽と隠密と加速、あと思念感知でーす、主人の知識を思念感知で覗きましたー)


(なるほど、なかなか優秀なんだな、何故隠していたのは僕の成長の妨げになるからかな?、だからそれは許そう、ただ、映像を見た?、知識を見たでは無く、映像?、父、クロは何を見たの?)


(時代劇だな、我もまだ記憶映像まで管理していなかったから見られたみたいだ、今後も膨大すぎて管理は無理だな)


(覗き見され放題?・・・ハー、クロ、見るのは許す、ただし誰にも話すな、特に過去の僕のプライバシーに関わることを話したら、2度と(絶対話しません))


(分かった、今後は許そう、今後はな)


(えっ、いやーー、入れないでー)


(しばらく反省してろ、因みに近付かせないから防御は要らない、あの化け物の一撃は受け流しても致命傷だ、捉えられたら終わりなの、防御は次の機会だ)そう言って、クロを収納した。


(ホントーにアースの仲間になる輩は優秀だな、悪い意味でも)


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