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15ハンター試験と受付嬢の破滅

 ハンターの試験内容は師匠に教えてもらった通りだった。



  弓、投げ槍、投擲は動かない的当てから始まり、的が色々な動物の動きをする的になり、その動きがありえない速度になっていった、結果は弓で出したBランク。


 近接戦の評価はウーツとの対戦だった、ウーツには勝ったがウーツの近接戦のランクがEランクだったため、ここライスで出せる最高のEランクになった。


 結果はBランク相当だが、申請のハンターランクはCランクにしてもらった。



 Bランクからは弟子が取れる様になり、報酬が高い指名依頼が入る様になるのだが、


 都市から都市への移動に、届出が必要になり、思いつきでの移動ができなくなるため、Cランクで止めてもらった。


 試験が終わり、ウーツの案内でギルマスに会いに行った。


 ウーツに案内された部屋にいたのはベッドに寝たまま起き上がれない老人だった。


お互いに自己紹介した後、


今現在ライスで行われている買い占めの件と


ハンターギルドのギルド職員と複数のギルドメンバーが、それに関わっていると思われることをギルドマスターに話した。


「アース君の言いたい事は分かった、しかし、ワシはこんな身体で信頼できる者もウーツだけじゃ、


たいしたチカラにはなれん替わりに幾つかの権限を君に与える、それを活かして欲しい」



 ギルドマスターに与えられた権限とは、


 Gランクのハンター資格の再審査、FとEとDランクの降格有りの再審査、Dランクから成れるパーティーのリーダー資格の再審査を強制できると云うものと、


 ハンターギルドの職員の正当な理由を伴う解雇と雇用を認めるというものだった。


「ではサフマギルドマスターのウーツさん、この事をハンターギルドの職員に伝えて、該当するハンターにも伝える様に命令して下さい」


「分かった、ではギルマス、ウーツ、行ってまいります」


「オオ、行ってこい、そして、今まで耐えてきた鬱憤も、発散してこい」


 ウーツはフンフンと鼻を鳴らし意気揚々に受け付けカウンター内のサブギルドマスターの席に座り受け付け職員を全員呼び出しギルドマスターからの話しを伝えた。


「以上だ、全職員と再審査に該当するハンターに連絡事項として必ず伝える様に、受け付け全員に後で話がある、アース殿、何かありますか?」


「アッ、僕の登録受け付けをしたあなた、あなたはこの後に僕と神殿に来て下さい、神殿施設で説明して下さい」


(アース、ワザと説明を神殿施設の説明と神殿の施設つまり神像前での説明と勘違いする様に言っただろ」


(この女は確実に〆るよ、もっとも、素直に吐けば今の地位を失うだけだですむ、


 ただ、この女は嘘つきだからまず嘘をつき騙そうとするだろうね、


 僕が神と契約した後に神像の前で嘘を付けば犯罪奴隷、他にも重い罪が有れば、重犯罪奴隷で一生危険な外壁の修復と村の雑用奴隷だ、


 契約も知らない馬鹿じゃ無ければ何も喋らずに逃げる、馬鹿じゃなければね」



(アースは本当に女でも敵には容赦ないな、誰に似たんだか)

(それを父が言う?)

(・・・、よし、楽しい旅を始める為も頑張るんだぞ)

(・・・)



 嘘つき受付嬢を連れて神像前の祭壇に来た。


「あのー、こちらが創造神様の御神像になります」


「少し祈りたいから僕の横で待っていてくれ」

「分かりました」


(今から創造神様の前にいる間は、僕と隣の女性は嘘を吐きません、契約をお願いいたします、・・・受理ありがとうございます)


「受付嬢さん、何で登録試験の試験する場所を訓練場だと経路まで言って教えたの」


「すいません、間違えていました」


「何を間違えていたの?」


「登録試験の場所です」


「神よ契約を終了します」


 祭壇から降りて付き添いの神官に神官騎士を呼んでもらった。


「今、僕達は神像前で嘘を付かない契約をしました、2人のステータスの罪の確認をお願いします」


「えっ、どういう事ですか?、あっ、私のステータスに、何で、どうして」


「神殿騎士の聖騎士、エルリックが確認します、この板に付いている玉に手を乗せて下さい」


 僕は迷わずに乗せ、受付嬢は力尽くで手を玉に乗せ抑えつけられた。


「アース殿には罪の欄は空欄です」


「シリル嬢、罪の欄に虚偽、傷害、神殿規約違反に詐欺ですか、拘束して連れて来い、すいませんがアース殿も御同行をお願いいたします」


「はい、こちらこそお願いいたします」


 ギルドに持ち込まれた物を個人で買取って街の商人へ横流しをしていた事で神殿規約違反の罪が有ったシリルは、ステータスに記載された罪の尋問に対してのみ反応する魔道具、審議の椅子に固定されての尋問行われた。


 神殿規約は当たり前の規約、守るのは簡単な規約、それをワザと破った時にしか付かない神殿規約違反の罪、


 実はこの罪はそれだけに重い、普段優しい神殿騎士の態度が、ハッキリと態度が変わるくらいに重いのだ、


他の罪ではここまで乱暴に取り調べをやらないし、殴る蹴るの尋問は抵抗しなければしない。



 取り調べの結果は、


 シリルは、居住区の肉屋の主人の愛人で有りながら、ハンターを恋人を装い誑し込んで色々なお願いをしていた、詐欺。


 ハンターにワザと嘘の情報を伝えていた、虚偽。


 言う事を聞かない職員やハンターを寄って集って暴行してから傷を治し分からなくしていた、傷害。


 買い占めを知っていながら、ギルド職員でありながら横流しして協力していた、ギルド職員としての神殿規約違反。


 以上で一生奴隷の重犯罪奴隷になった。



 シリルと愛人関係だった肉屋の主人やその他の協力者は、一切の証言を拒否して、財産を全て没収された。


 衣食住は最低限保証されるが、領主管理の財産は一切持てない契約奴隷になった、証言したらおそらく死が近い重犯罪奴隷と思われる、どちらも一生奴隷だが。



 余談だが、


 僕が前にハンターのザゴイを潰した件だか、警告無しでやったら奴隷になり、腕を捻るだけなら外壁の補修作業数日の刑で済む、


 警告無しで、更にザゴイが手を出さずしつこく声をかけただけで、僕がザコイを潰したら年単位の刑期の有る犯罪奴隷、


 ザゴイを殺したら、僕は重犯罪奴隷になる。


 師匠から、やるなら警告してからだ、警告無しだと後が面倒だと教えられた、成る程、素晴らしい教えだ師匠、今度お礼を言おう。


 えっ、過去形じゃないって、多分師匠は死んでいないから、あの師匠が森でゴブリンにやられるとは思っていない、


 師匠が僕の来たライスにまだ来ていない所を見ると、反対側の都市、シュガーソルトかフルーツポテトに逃げたと思う。


「高齢だからまた逢えるか分からないけど元気だといいな」











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