表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/47

ミニィの方舟

 黄うさぎのミニィは泣き崩れていたのです。その目からは大粒の涙が地面へと流れ出ていくのです。遂さっきまで一緒に遊んでいた子供がこんな目に合わなければならないというその現実に心が押しつぶされそうになっていたのです。自分自身への催眠をかけて心の中では、嘲笑っていました。


「どうして、一体誰がこんな酷い事をするの!ねえ、ケンちぃ、あなたなんか知っているんでしょう!

またあんたのせいで、子供が死んじゃったじゃない!

レイスちゃんの笑顔が忘れられない。さっきまで一緒に笑ってくれた笑顔が!ねえ、責任取りなさいよ。あんたが、見てなかったからでしょう。気が付かなかったから!」


「は?ちょっと待ってよ!なんで僕のせいなんだよ!

またそうやって人のせいにするのか?君はいつも、

気が付かなかったから?もし本当にそう思うなら、」


次の瞬間、ミニィはケンタの頬を思いっきり殴り付けていました。強烈な拳がケンタの頬にぶつかっていくのでした。ミニィは、ケンタの胸倉を掴んで蹴り飛ばしたのです。ケンタはミニィを仲裁しようとしました。そして、ミニィに言います。


「また殴ったな!ミニィ、君はそうやって誰かに八つ当たりする事でしか、自分をコントロールできないのか?

もし本当にやるというなら、君を殴ってでも、僕は君を止めてみせる。」


「ふーん、じゃあやってみなさいよ。役立たず!」


ミニィはケンタを殴ろうと拳を振るわせました。ケンタはミニィを避けると、ミニィの頬に向けて殴り付けました。ミニィの頬に強烈な拳がぶつかり、ケンタはミニィを蹴り飛ばしていきます。蹴り飛ばされたケンタとミニィはお互いに激しく取っ組み合うと、激しく殴り合ったのです。ミニィはケンタの後頭部目掛けて激しい蹴りを入れました。ケンタは激痛に耐えると、興奮したミニィはケンタ目掛けて胸倉を掴み怒鳴りました。


「おい、バカ犬、てめえはその程度の力しか出せねえのかよ!綺麗事をぐだぐだ並べたって、レイスちゃん達は戻って来ねえんだよ!てめえが、役立たずだからだろうがよ!おい、聞いてんのかよ!私がこうやって悲しんでも、てめえは殴るんだな?」


「ミニィはそうやっていつも僕にぶつかって来た。普段の女の子らしさから君は取り乱した時に暴言を吐いて、ああ、殴るさ!お前が目を覚ますまでな!君は何がしたいんだよ?悲しみたいのか?苦しみたいのか?」


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!うるさい、うるさい、うるさい、そうやって私を追い詰めるの?そうやって私を、私を!」


次の瞬間、ミニィはケンタの側から離れて、取り乱します。

ミニィの心が壊れて行くのでした。ミニィは、泣きながらトンボランドから離れていきます。ケンタとの大喧嘩の末に、ミニィはトンボシティにあるフラワーパークの方に走っていくのでした。フラワーパークではヒナゲシの花が咲いています。青色のヒナゲシの花の前にはガラスのうさぎエイルースが立っています。ヒナゲシの蕾が開き始めた時に、エイルースは動き出しました。ガラスの目を光らせるとミニィの方を見て言うのでした。


「ミニィ、あなたの方舟は、予想外の方向に行ってしまった。あなたは、いけないと分かっていながら、4人の子供達と母親の命を奪ってしまった。しかもあなたはそれを自分は間違っていないと自負している。あなたは、もう、自分の悪の連載から逃げられない。」


「そうやって私が悪いって言うの?私はね、デージーの意思を受け継いだの。だから、私は悪魔に心を売り渡した。その言葉の意味はあなたならわかるわよね。何もかも燃えちゃえば良いのよ。もう、何もかも。あははは、レイスちゃんは燃えちゃったんだから。」


その時ヒナゲシの蕾が歌い始めました。荘厳なレクイエムを奏で始めたのです。ヒナゲシの花の妖精だけではなく、薔薇の花びらの妖精もレクイエムを歌い始めました。そしてミニィは1人歩き始めました。気がつくと、そこはお葬式の会場でした。そこには変わり果てたレイスとスカーレット、カリル、デール、ヒール、ヒューズの遺体があったのです。ミニィは献花をしました。だがミニィの目の中には、虚無が写っていたのです。遺影の中にはにこりと笑うレイスの姿がありました。そんなレイスの遺体を前にして泣き叫んでいる女性がいます。レイスの叔母です。レイスの叔母は地面に倒れ伏せました。


「レイスちゃん、お願い、お願いだから目を覚ましてよ。お願い、あんなに笑っていたのに、スカーレット、うわぁぁぁぁぁ!!!」


お葬式には、ケンタの姿もありました。ケンタはゆっくりとミニィの方に寄って行きます。ミニィに静かに話しかけるのでした。


「ミニィ、昨日は喧嘩してごめんね。一番悪いのは、この事件を起こした奴だよ。だけど、犯人の手がかりも分からない。僕はミニィの味方だから、ミニィをいつでも守ってあげるから。」


「ケンちぃ、私も昨日はごめんね。」


(うふふふ、一つ目の計画終了。次はミツバチシティで更なる計画を立てるんだから。協力してくれるわよね。ケンちぃ。)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ