※ オ知ラセ
要約:リメイクします
皆さんこんにちは。そしてあけましておめでとうございます。
お久し振りです。剣葉です。
この度はこちらの小説の更新を凍結──完結扱いにさせて頂きたいと思います。
理由としては、作者の執筆に充てる時間が十分に取れなくなってきたことが一番の理由です。
続きを楽しみにしてくれていた方には大変申し訳ございません。
この拙作を読んで頂きありがとうございました。
剣葉
◇
【▼以下、堅苦しい挨拶に疲れた作者の独り言】
というわけで、改めまして皆さんこんにちは。剣葉です。
まずは続きを楽しみにしてくださった方、本っ当にすみません!
一月くらいから忙しい、忙しいなどと何度もぼやきつつも投稿頻度を落として投稿していたのですが……。四月に最後に更新した後、時間が(端末も)消し飛びました。
エタからくる休載ではないのでその点はご安心下さい。
活動報告にでもお知らせした方が良いと思いましたが、まともに端末開いたのも久しぶりなんです……。申し訳ない……。
これからもかなり忙しい日々が続くと思われるので、この小説の更新を凍結したいと思います。
ところで何故『更新凍結』にしたか、ということなんですけれども。
先日この小説を読み直してみた訳ですが、「うわぁ……色々ぐちゃぐちゃになってる……」と一人頭を抱えました。
そもそもこの作品自体、以前どこかで書いたかもしれませんが、神楽が主人公の一作目、神威が主人公の二作目、その続編としてこれがありました。
しかし作者は気付きました。
三作も書いたら何年かかるんだと。
この小説を読んで何となく察した方もいると思いますが、全部相当な長編の予定なんです。
これ以外に書きたい小説もありました。
その為に拙いなりにそこそこ設定のあった一作目、二作目を破棄して三作目の吹雪が主人公の話から始めた訳です。
(因みに一作目、二作目はそれぞれ二十話程度は作っていました)
ですが、そもそも書き始めた当初もあまり時間がなく推敲ほぼゼロ、設定も不足分は一、二作目から大半持ってくるorその場凌ぎでいくつかぶち込む、に近い状態になっていました。
それに加えて一話書き終わった後に「あ、この設定ここで出した方が良かったな……」というような箇所も作者が付け加える気力をほぼ失ったがために断念しています。
改稿をしていない話では、台詞の多用もしていましたね……。
その後加筆として書き加えた部分もありますが、思ったよりもぐちゃぐちゃになっているため、
『もうこれ、最初からリメイクとして書き直さない?』
という考えに至りました。
そんな訳で更新凍結などと銘打ってはいますが、新しく書き直そう!ということで、文字通り、最初から書き直して投稿します。
話がどのくらい変わるかという点ですが、この小説で吹雪は《WMO》をサービス開始、約一か月に始めたことになっています。
それをサービス開始と同時に《WMO》を始める、とする予定なので、第零章丸々ちゃんと説明&冒険に費やします。
そして、現在の展開に追いついた時にも丁寧な描写をしたり、変更をしたりすると思われます。
基本的には現在の設定を(元が拙すぎるので)大幅に強化するつもりです。
この小説を一度読んだ人も楽しめるような小説に致しますので、皆さんよろしくお願いします。
リメイク版を投稿するのは、2022年4月、遅くてもGWにはしたいと思っております。
その際はこの『オ知ラセ』と同じように此処に投稿します。(ブクマは外さないのをお勧め)
作者も頑張ります。
最後に、作者は小説を書いてみて、やっぱり何かを書くのが好きなんだなと思いました。
今後も投稿は行っていくつもりです。
どうぞ皆さんよろしくお願いします。
剣葉
◇
〖▽以下、さらにぶっちゃけたい作者の独り言〗
ということで、色々話しておきたかったことを此処に丸投げしておきます。
・タイトルについて
『月』に関する語句がこの小説には沢山出ていることからのネーミング。
神威の方の話でさえ、タイトルを付けていなかったので頭使わずに付けましたね。
ぶっちゃけサブタイは惰性で付けましたが、要らなかったと思ってます。
正直なところ、作者はサブタイは付けない民になるのではないかと思います。
別に読まない人は読まないで良いと思っているので、人の目を惹く為の長いあらすじタイトルも、もっての外と考えています。
月に関するこの小説を表すのにぴったりな英単語がありましたしね。
・展開について
作者、すんごい良いところで終わらせてますね……!
此処まで辿り着くのに約40話(切り捨て)掛かるとは思いませんでした。
現実を見ましょう。49話。遅すぎる。
毎日更新できるならそこまで問題は無いんですけれど。
1話を長くしていくスタイルか、そのつもりで書いてから、編集して小分けにして出すか。
どうなるかはわかりませんが、もうちょい加速したい。そう思ってます。
あと、作者は小説を書いているとき、読んでいるときに、物凄い違和感を感じてしまうことがあります。
それが何かなんとなく頭の中で固まってきたのですが、「隠す気のないフラグ、今度の動向を話している敵視点の描写は展開を楽しみにさせるならば、する必要はない」ということです。
あくまで個人の意見です。
例えば、とあるお話しで裏切り者が居たとします。
第三者視点で正体が──いや、裏切り者がいること自体さえもが中盤で明かされて、終盤までずっと主人公の側にいる。
個人的には物凄くモヤモヤしますし、何も予知させずにいきなり裏切らせる方が、作者の持論にも合っているのかなと思っています。
そういうこともあり、本気でストーリーは全て隠そうかと思います。
めちゃくちゃ頑張って推理すれば展開を読めるレベルまで。
最後にありがちな「しかし、彼らを見ていた視線に気付かなかった……」とかいうのも無しで。
運営視点、神威視点も今後を仄めかす描写はほぼ消えるのではないでしょうか。
そして、この小説の結末について。
作者はトゥルーエンドが最も好きです。バッドエンドも普通に書けます。
それを踏まえて、この小説全体はハッピーエンドを前提に作られたお話ではないことをお知らせします。
補足すると、どんな終わり方も出来る様に書いています。
どんな結末になるかは、作者の気分と読者の方の期待次第ですね。
そういえば作者はランキングを全く見ない検索派なのですが、なろうでは長編でかなりバッドエンドよりのトゥルーエンドを見たことが一回あるのみで、長編は殆どハッピーエンドで締められているみたいですね。
長い時間をかけて必死に書いた小説をスッキリ終わらせたい、というのは当たり前といえば当たり前なのでしょうけど。
・ジャンルについて
この小説のジャンル……作品傾向についてですが、どちらかというとダーク……。
神楽、神威の二人は明らかにダークでしたね。シリアスもがっつり添えて。
二人に比べたら吹雪はほのぼのする……かも?
ですが、作者がリメイクを決めた理由は《血月の使徒》戦の前にこれだけほのぼのさせていたのも理由です。作者が疲れていたことの表れか、台詞が多い話やルナリア様の一件があり、それがあるとこれから予定通りに書くならこの落差は流石にまずいな、と。
作者は残酷描写、人間関係の破壊など普通に行いますので、ご了承下さい。
まあ、《WMO》は未成年者も遊ぶゲームということで、大分フィルターが掛かっていますし、プレイヤーへの手出しは運営的にも外聞が悪いので行わないと思います。
現地人は知りませんが。
つまるところ、この小説では酷い描写は行わないです。
ただ、他の作品を読んでいて感想欄を見て、「え、これ、胸糞になるの?」と驚くこともあるレベルで感覚がおかしい所があるので、どこまでストッパーは掛かるか分かりません。
ん、あれ、ちょっと待って……。一つ怪しいかも……?(設定見返し)
神楽、神威よりは数倍マシなので良いとしますかね……。一瞬で終わりますし。
できるだけ自重して、その為だけにあるような次作に回したいと思います。
・登場人物について
先ず、作者は気付きました。
別に神楽と神威の話は読者は知らないのだから、多少歪めていいのでは?
血月の使徒はまだ名も出ていない六人を削り、二十四人とするつもりです。
いつか供養します。しかし、神威の話をしていたのならまだしも、別作で出すなら三十人は多すぎる……。二十四人も大概ですが、《WMO》の世界を回らせるにはこれが限界でした。
頑張って書き分けの力を身に付けます……。
あと、名前も何人か変更すると思います。恐らく地名も。
それと、ネームドのキャラクターが今の所女の子しか出ていない件について!
何故かこうなりました。解せぬ。
これには色々と理由がありまして、先ず闇が深いキャラがそこそこの年齢の男だったら違和感が凄い、という点。
画の問題ですね。はい。
その友人関係を構築していく上でなら男を入れても良いのに、何故か女で固めてますね。
……彼女らにとって同性の方が良かったのですかね。事情がある子もいますが……うーん……。
一回それは置いておいて、今後の作品の簡単な設定集を覗いてみました。
見事に全部女主人公。全員闇深い。
……やっぱり次作については後程話しますね。
そして、此処で言っておきたいのが、『百合』をどうするか。
あからさまなキャラがいますが、主人公には一切その気がありません。
靡くこともないかと思われる。
因みにルナリア様はただのスキンシップの多い保護者ポジです。
まあ、需要があるなら書きますが……作者の持論的に、恋愛を簡単に成就させる作品は無いと思います。何ならダークな世界では破局させてこそ、なんて考えてます。
・主人公について
本作の主人公、正直言って初期設定からもブレてますし、作中でもブレまくってます。
これは酷い。これは主人公のみならず、全てに当て嵌まってますが。
酷い点が多すぎて全部挙げると作者のメンタルが保たないので、脳内にて綴らせて頂きます。
それと全ての作品を通して、作者は主人公が負けるとき。
これを、「主人公が負けたいと思っているとき」or「主人公が最善手を打った上で、相手が戦術的、戦略的に予想もしなかった手を打ったとき」でありたいと思っています。
書くのは相当難しいですが、油断して負けることはあって欲しくない。そんな思いから来ています。
《血月の使徒》として活動している《Valkyries》に入るのに忌避感がないことからも分かりますが、吹雪は必要となれば迷わず人を殺せます。
非情、というのも共通した特徴になると思われます。
という訳で、ちゃんとした吹雪の思考としては「完璧主義」を芯として書いていきたいと思っています。正直、作者の書く主人公はこれか「破滅主義」のどちらかに分けられます。
それと、本作主人公の名前、「白桐 吹雪」。
改名しますかね……?()
(何故か、察せられる人は察せる)
まあ、それはずっと前から決めていた名前ですし、案として当初から考えていた設定が、辻褄合わせにもこれ以上ない程にぴったりでしたし、今後の展開的にも問題は無いと思われますので良いでしょう。
・世界観について
はいこれ。一番言いたかったことです。
先日、色々と作者が小説を書く上で、長所になり得る点を洗い出してみました。
恋愛は多分書くだけの経験値が無い。システム系は苦手。
じゃあ、世界観しかないじゃん、と。
此処で作者の昔からの得意科目を発表しますと、日本地理、世界地理、日本史、そして世界史のとりわけ中世〜近現代。
《WMO》の世界を地球にしたのも、リメイクする上で良かったと思います。
作者は、国を書く上でなろうに在りがちな一、二カ国しか出てこない小説は書きたくありません。
この小説の冒頭で国について説明しようとして断念したのも、初っ端その情報を投下するのもどうか、ということとただ単に作者が疲れていたことが挙げられます。
『◯王国』などと分かりやすい国号にしていましたが、それは今後自重しません。
ガチな国名にします。
中小国も沢山あるんです。一つ一つにできる限り焦点を当てていきたいなです。
歴史や国家機関、組織、派閥も本気で作り込むつもりです。勉強、勉強……。
それに伴い、《十二星宮》は解体しますね。
惰性でぶち込んだ設定その1。
色々と不都合な点がありましたし、似たような組織が沢山できることでしょう。
地図は現在進行形で作っております。
フリーの白地図を引っ張ってきて、河川や地方、地方行政区分などの地図をトレスしたりして……。
あと、国旗、国章に当たるものも作って色分けの代わりに嵌め込みたいですね。
徽章学も勉強しなければ……。(いっその事こと委託する?)
まあ、カッコいいものに仕上げます。
それと現実世界ですが、パラレルワールドです。
神楽、神威の方で書いていたので説明を放棄していました。
簡潔にまとめると、WWⅡで枢軸国が史実よりちょっと有能で、コミンテルンが史実より不利な状況で終戦しました。日本は地獄です。
……詳細を書きたい。書くか!
▼
第二次世界大戦の開戦後暫くはは特に変わらず。
独国はいつも通り周辺国家を轢き潰して、変わらずダンケルクで連合国軍を逃がします。英国占領も諦めてバルバロッサ作戦へ。太平洋側でも日米が戦争を始める。
枢軸国が快進撃を続ける中、先ず一つの転換点。スターリングラードの戦いに独国が勝ったことをはじめ、全体的にソ連を押し込みました。それでもコーカサス地方を切り取れず、占領した土地もやがて赤軍の反撃で奪還されるのはお約束ですが。
海ではいつも通り、調子に乗った大日本帝國が叩かれました。大本営発表が史実宜しく空母十九隻撃破とかいうデマを流し、沖縄戦が起こっていた頃。欧州戦線にて連合国軍が梃子摺ったことで、作戦にちょっとずつズレが出ていき、原子力爆弾の輸送が遅れていた中、重要な部品を運んでいた艦船が日本軍の潜水艦に撃沈されました。
独国軍の方が猛威を振るっていたこともあり、日本に原子爆弾が投下されるのが保留となります。
しかしこれで日本はどうなるか。それは当然、皆さんお馴染み本土決戦です。
さて、その間、独国らがほんの少し遅れたノルマンディー上陸作戦とバグラチオン作戦を受けながらも、機甲師団の決死の突撃などで一矢報いましたが、原子爆弾の投下がとどめとなり独伊は降伏。
粘り強い抵抗によって、完全に制圧し切ったのはそれから一年以上経った後のこと。
特に東欧の大地が荒らされました。
それによって、冷戦の鉄のカーテンが東に寄ったのはご愛嬌。
時を同じくして、日本軍は決号作戦に基づき根こそぎ動員を行ったり、大陸からの師団を引き抜いたりして対応。
お家芸と化していた特攻兵器を携えて。
連合国軍は南西諸島に次々と上陸し、中国大陸でも支那方面軍を破る。
そんな中で史実では日本の降伏によって中止されたダウンフォール作戦が始まります。
先ずは南九州に上陸。生物兵器も惜しみなく投入して、鹿児島及び宮崎南部を占領。
侵攻はそこで打ち止めにし、飛行場を整備してから航空支援を受けられる状態で、九十九里浜及び相模湾から上陸。
地獄のような戦闘を経て、帝都東京は陥落しました。
しかしそれで終わる筈も無く。
日本各地にある山地に篭ってゲリラ戦を開始し、特攻は相次ぐ。
全土が焦土化した後に太平洋戦争は終結しました。
その後の日本は悲惨。
数百万規模の死傷者を出したことや、朝鮮半島が分断統治されなかったこともあり、やる気の出なかったGHQの杜撰な統治政策によって……
▲
と、まあこんな感じです。
多分設定の甘い箇所が沢山あります。
冷戦期を過ぎた後の日本は歪な発展を遂げた国家として注目されています。
法整備もきちんとされておらず、貧民街も都市郊外には広がっており、治安は悪い。
大都市のみが憲兵隊に守られているように、軍も存在しています。
カタカナを漢字に当て嵌めた表記をしていたのも、この世界観を表現する為ですが……旧字体等をさり気無く紛れ込ませてもよいかなと、くどくない程度に行いたいです。
一作目の神楽については何を言えばいいのか分からないので黙っておきます。
魔窟と化した日本での大企業。その令嬢達が主人公となったのが二作目の神威達。
当然まともな神経をしていません。思いっきりゲームで遊ぶお話しでしたね。
シリアス要素が最も少ない作品でした。(当社比)
治安の良い区域に暮らせている吹雪は勝ち組ですね。平和かどうかは知らんが。
・暗号について
モールス信号を作中に挟んでいましたが、次からは半角にしたりアンダーバーに差し替えたりするつもりです。
他にもアナグラムや十六進数を使ったJISコード、Unicodeなど何所かに隠せたらいいなと思います。
・次作について
予め言っておきます。
次作はこの小説の第一部が終了してから始めます。
第二部は比較的落ち着くので、並行して進めるつもりです。
並列投稿はあまりしたくないのですが、次作はとある理由により今作と同時に投稿します。
とはいえ、第一部が完結するのも何年後になるのか分かりません。
10章で終われば良いかなと思っています。
それについても少し話をしますと、今、次に予定している小説のテーマが『戦争』。
そして、他に思い付いている小説のテーマが『宗教』と『放浪』の二つです。
どれも長編であり登場人物も多いので、もしかしたら短編として外伝的なお話を出すかもしれませんね。
『戦争』については戦記ものになるのではないかと思います。
『宗教』については狂信者のお話し。『放浪』はクラス転生のお話しです。
一言で説明していますが、全部シリアス&ダーク。そして女主人公。
神楽や神威、吹雪らの主人公と見比べると、最も倫理観があるのは吹雪と言って間違いないです。
この作品が最もまともな作品になると思います。
吹雪は明らかな正義側。どちらが善か悪かなんて見方や立場によって変わりますが、倫理観で言えば一番マシですからね。
さて、これでおしまいです。
では皆さん、これからも”Lunatic”な世界をお楽しみ下さい!
◇ . ._ ____ .._ .___. ._.. ._ ._.__ .. ._... __.__ ._ __._. _.._ __._. __ .._ ◇
「んんーーーーっ、私もそろそろ表舞台から退く時かなー?」
東京の夜景が見渡せる位置にある部屋。
株式会社EastCloudの女社長、東雲神楽が凝り固まった身体を解そうと、手を組ませて上半身を伸ばしている。
それを横目にしながら聞いていた秘書である宝角弥里。
彼女は神楽の口から出てきた言葉に苦笑する。
「表舞台から退くって……あなたはまだこの会社も始めたばかりでしょう? 戯言も程々にして欲しいわ……」
「いや? 冗談じゃあないよ? でも、私の存在を忘れさせない為に最後くらいはぱぁーーーっと大きいことしたいよね」
何を仕出かすのかと、ぎょっとしたように神楽を見る弥里。
神楽は変わらず不敵な笑みを浮かべている。
「何かしら? デスゲームでもするつもり?」
「まあ、それも面白いと思うんだけどねー。《SOMNIUM》にもその機能があるし」
「へぇ……ちょっと待って、今何て言ったの?」
「こそっと付け足しといたんだよ? 必要になることもあるかなーって」
「また犯罪を……」
最早神楽の犯罪行動に慣れきってしまい、諦めたような表情を浮かべる弥里。
そんな彼女を見て神楽は「通報する?」とけらけら笑いながら言ってのける。
黒電話を手で指差して。
「通報なんてできる訳ないじゃないの。握りつぶされて終わり、っていうのは幾度となく目にしているんだから」
「それもそうだね。ちゃんと報復行動も採るから」
「表舞台から去るって、裏社会を牛耳りにでも行くのかしら……?」
「既にそっちはしてるじゃん」
「……何をする気なの?」
神楽の思考が読めない弥里は、素直に問い掛ける。
高校時代から神楽には振り回され続けている。何ならそれを知って見逃すなどと、犯罪の片棒も担いでいる。
それは兎も角、弥里は神楽の知らないところも多いのだ。
友人であり、誰よりも事情を知っている自信はあるが、それでも隠していることが膨大過ぎる。そんな気がしてならない。
うんうんと頷き、少し目を逸らした神楽の唇が動く。
「──旧友に会いに」
目を細めた笑顔を変えずにそう言う。
弥里にはその顔が歓喜なのか悲観なのかは分からなかった。
少なくとも、神楽が最後にする行為というにはそれらしくないように感じる。
しかし、いつもの自信満々な顔は変わっていない。
「旧友って言えるのかは怪しいけどね。今ではその表現が適切だと思うよ」
弥里は対象を洗い出そうと記憶を掘り返す。
候補は挙がるが、合っているという自信はない。
自分の世界に夢中になっている弥里のその横で、クルッと浮遊椅子の向きを変えた神楽が、少し離れて宙に向けて手を伸ばす。
様になった動作で。
掌を上に。
「待っててね。私の家族」
弥里はその微かな呟きを聞いて思い至った。
最後≠最期?




