13話:カルサイトと賭け
俺たちの商品は、俺の住む村の近くにある"土の大精霊"が眠る地下洞窟。そこで採る事が出来る精霊石だ。
土の精霊石は、植物の成長を促したり、加工して建築業などに使われる。余談だが土塊に土の精霊石を入れて作るゴーレムはマニアに大人気である。
俺たちはコレを他国に売り、売ったお金で他の精霊石を仕入れてそれを土の国で売って収益を得ている。
(万が一、精霊が消えたら商売ができなくなる!!)
新しい物を扱うにしろ知識も伝手もないに等しい。
コレは賭けである。
それも恐ろしく勝算の低い大博打だ。
しかも、どちらを選んでも大負けしそうな……そんな危険な勝負。
考え抜いた末に結論を出した。
(エルフの国に最短で行き、この嬢ちゃんの話が本当だったら
火の国か光の国で精霊石を現金に変えよう…………)
なんとも現実的なアイディアだ。
ちなみに、精霊が消えても精霊石が残るようであれば拠点に置いてきた分と手持ちを後々高値で売る気である。抜け目はない。
どちらにせよ、早めにエルフの国に行き真相を確認する必要がありそうだ。
「とりあえず、北西のヨーデルカリブ港を目指す」
「やったぁ!! これでエルフの国に行ける!」
喜びのあまり変な動きをしているヒメルを無視してカルサイトがキンに話続けた。
「万が一、船が無かった場合はキンがサンシャイン港に連絡をしてこっちに船を回すようにギルドに手配してくれ…………」
「隊長、船一隻手配したら相当高くつきますぜ…………」
「…………最終手段だな」
船がなかった時の費用を考えると、胃がキリキリ痛む。
気がつけばヒメル、アルカナ、ギンが三人で何やら盛り上がっていた。
その光景を見て益々不安になる自分がいた。
21.1.13 加筆・誤字修正




