表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
5/5

第4話:初めての異世界家電と、奇跡のお粥

ミリーのお父様が残した物置。


そこは一見するとただのガラクタ置き場でしたが、僕にとっては異世界チートパーツの宝山でした!


しかも、名前をもらったことで僕の能力が完全覚

醒。


見たこともない異世界の魔石の使い道が、なぜか頭の中にバシバシ浮かんでくるんです。


病気で寝込んでいるお母様のために、小さな子狐が前足と魔力で爆速DIYを始めます!

ミリーに抱っこされてやってきた物置小屋は、凄腕の料理人兼冒険者だというお父様のコレクション

(一見ガラクタ)で溢れかえっていた。


(うわ、なんだこの山は.....って、あれ?)


転がっている奇妙な石に触れた瞬間、僕の頭の中にピピッ、と青い画面のようなログが浮かび上がった。


ーー『冷気の魔石(下級):微弱な冷却効果。魔力を均一に流すことで、地球のインバーターコンプレッサーと同等の精密温度制御が可能』ーー


(えっ!?魔石のステータスや、地球の家電の何に使えるかが全部頭の中に流れてくる......!?)


どうやら名前をもらった時の覚醒で、異世界の素材をすべて家電のパーツとして見抜く、とんでもない『鑑定解析チート』まで身につけていたらしい。


これなら知識ゼロでも何でも作れるぞ!


(よし、ミリー!まずはその棚の隅にある青いちっちゃな石を取ってくれる?)


「これかしら......?これは『冷気の魔石』ですけれど、冷える範囲が狭すぎて、ハズレの魔石って言われているものですわ〜」


(ふふん、この石に僕の魔力を細かく流せば、完璧な温度にキープできるんだよ!)


僕は古びた木箱のなかに、これまた鑑定で見つけた魔法金属の板を二重にして貼り付けた。


こうして空気の層を作れば、地球の『真空断熱構造」と同じになり、外の熱をシャットアウトできる。


仕上げに、冷気の魔石に僕の細い前足から魔力を流し込み、精密な冷気循環の回路を刻み込んでいく。


すると、僕の魔力が金色の光となって木箱全体にスーツと吸い込まれていった。


ーー『魔力式冷蔵庫・試作一号機が完成しました。

独自の魔力により【付与:鮮度絶対維持・最高品質

固定】が追加されました』ーー


(えっ、なんか今、物凄い付与効果がついた気がするぞ.....?)


驚いている僕の横で、ミリーが恐る恐る木箱の扉を開けると、そこから白い冷気がふわりと溢れ出してきた。


「ーーひゃあ.....つ!中がとってもひんやりしていますわ!外はこんなに暑いのに、冬の朝みたいで

す!」


傷みかけて地下水で冷やしていた食材を冷蔵庫に入れると、一瞬でシャキッと冷やされ、付与魔法の力で「たった今採れたて」のような最高級の輝きを取り戻した。


ミリーは「お肉が生き返ったみたいですわ〜!」と大感激して僕をギュッと抱きしめた。もふもふの毛皮が潰れる。


(ふう、でもこれでお母様に新鮮なものを食べさせてあげられるね......ミリー、お母様には何を作ってあげるの?)


「お母様は胃腸も弱っていますから、お腹に優しい『お粥』を作って差し上げたいのです。でも、うちの新コンロは火加減が難しくて焦げ付きやすいですし、煙でお母様が咳き込んでしまうのも可哀想で......」


(なるほど、だったら次は『熱」だね!火力を自由自在にコントロールできて、煙も一切出ないコンロを作っちゃおう!)


僕は物置から、解析で【IH加熱コイル代替品】と出た『赤魔石』と鉄の板を引っ張り出してきた。


魔力回路を組み、ダイヤルを回すだけで強火から、とろ火(超弱火)まで一瞬で切り替えられる、コンパクトな『魔力式卓上コンロ』を数分で作り上げる。


ーー『魔力式卓上コンロが完成しました。独自の魔力により【付与:調理効果300倍・完全治癒ヒール促進】が追加されました』一ー


(よし、またなんか物凄い付与がついたな!)



さっそく厨房でお粥を作ってみる。


冷蔵庫から出した新鮮なお米と水を鍋に入れ、コンロに乗せて「弱火」に合わせる。


煙を一切出さず、完璧な弱火でコトコトと綺麗に煮込まれていくお粥からは、なぜか神聖な金色の湯気が立ち上っていた。


2人は完成したお粥を持って、厨房の奥にある薄暗い寝室へ向かった。


そこには、顔色が悪く、弱々しく横たわるミリーのお母様がいた。


「お母様、お粥を持ってきましたわ。ルクスちゃんが作ってくれた、魔法の道具で煮込んだのです」


「ルクス...?.....ミリー、ありがとう......。でも、せっかく作ってくれたけれど、今は何も喉を通りそうに.....」


お母様は辛そうに微笑む。


しかし、ミリーがスプーンでお粥を口元へ運ぶと、お母様は小さく口を開けて、お粥をひと口、そっと含んだ。


「.....!まぁ.....なんて優しいお味なのかしら......。

すうっと体に染み込んでいくようだわ......」


完璧な火加減で煮込まれたお粥の美味しさに驚き、

お母様は何度もスプーンを口に運んだ。


と、その瞬間。


お母様の体を、お粥から溢れ出た優しい金色の光が包み込んだ。


ルクスがコンロとお粥に無意識に込めていた、チートな【完全治癒促進】の付与魔法が発動したのだ。


「あれ.....?体が、とっても軽いわ......ずっと重かった胸の痛みが、嘘みたいに消えていく......?」


お母様の顔にみるみる健康的な赤みが戻り、なんと、ずっと寝たきりだった体が自力でガバッと起き上がったのだ。


「お、お母様!?お起き上がりになれるのですか!?」


「ええ、それどころか、なんだか病気になる前より元気が湧いてくるわ......!ミリー、私、もうどこも痛くないわ!」


「よかった......本当によかったですわ......お母様......!!」


ミリーはお母様に抱きつき、2人でボロボロと嬉し涙を流した。


(きゅう......!)


抱き合う親子を見て、僕は心の中で小さくガッツポーズをした。


家電は、人を幸せにするためにある。


僕の作った異世界家電は、どうやら不便な生活を変えるだけでなく、この家族の運命すらも、最高の形で変えていく力があるみたいだ。


第4話をお読みいただきありがとうございました!


ルクスの隠されたチート能力『鑑定解析」と、作った家電に強力な『付与』がつく仕様が判明しました!


奇跡のお粥によって、お母様の病気は見事に完全完治!


最高の笑顔を取り戻したミリーたちの次なる目標は.....?


次回、いよいよ「ひだまり亭」の営業再開に向けて、ルクスがさらに新しい家電作りに挑みます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ