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十年間戦った敵将へ、停戦祝いに求婚します ~私より強い方という条件に合うのは、あなたしかいません~

作者:くらたん
最新エピソード掲載日:2026/10/30
「戦が終われば、女の剣は飾りです。和平の印に、嫁いでいただきますよ、隊長殿」

停戦の宴で、王都の外交官が笑った。相手は、もう決めてあるという。

十年、国境の砦を守ってきた。私より強い方としか結婚しない。そう言って、縁談は全部断ってきた。

「結論を申します。相手は、自分で選びます」

私は卓を回り、敵将の前に指輪を置いた。十年、剣を交えて、一本も取れなかった男だ。

「あなたに求婚します」

「……それは、両国のために?」

「私のためです。あなたと暮らしたいので」

戦場では一度も崩れなかった顔が、耳まで赤くなる。

「武器も持たずに攻めてくるとは、卑怯だろう」

「卑怯で結構です。私より強い方は、あなたしかいませんので」

翌日から、元敵同士の婚約が始まった。剣を合わせれば息が合うのに、手をつなごうとすると二人とも固まる。外交官は、縁組を見世物にしようと毎日口を出してくる。

それなのに彼は、誰にも言ったことのない私の好きな茶を知っていた。

あなたは、いつから私を見ていたの?
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