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7 暇を持て余す


 時刻は七時三十分……カゼアとネネはそれぞ学校へ向かった。拓は一人医務室にいて、この世界のことを詳しく思い出そうとした。

 『リスペクト』では、通っている生徒一人一人に寮が与えられる。その寮に住むか住まないかは本人の意思次第だ。例えば、医務室を管理しているネネは、両親と仲はいいが、仕事で帰りが遅いため、基本的には寮で暮らしている。それに対してカゼアは、昨日は泊まったが、本来は家で暮らしている。なので、昨日は全然使っていない寮ではなく、医務室に泊まった……と考えている。

(……俺…学校通わないと知識入らないんじゃ…?)

 前の世界で『レツリス』をプレイしていた時、学校の描写は少なかったが、ちょくちょく出てきた。そして選ぶ学校によっても色々変わるらしい。

 学校は、ネネ一人が通っている『アイルド学園』、カゼアとその他一〇名が通っている『シャル・イースト校』、イリスとその他二名が通っている『ソル・ルナ校』、他には四名が通っている『ストリーム学院』、三名が通っている『シャル・ウェスト校』、一名が通っている『シャデーラ・ノース学園』、一名が通っている『シャデーラ・ミドル院』という七つの学校の内一つを選ぶ。

 拓は最初の推しであった『チェリー』と同じ学校が良かったので『シャデーラ・ノース学園』に通った。もしかしたら一人しかいないから描写が少なかった可能性もある。

(……どこに通おうかなぁ…)

 ここはゲームとは違い、時間の進み方も元の世界と同じようだった。つまり、学校もゲームのように一瞬ではなく、しっかり授業もして八時間近く滞在することになるだろう。どこに行っても同じことが学べる、これは悩む……

 正直、『ストリーム学院』『シャル・ウェスト校』『シャデーラ・ノース学園』『シャデーラ・ミドル院』はやめておくべきだと考えている。まだ会ったことがない人の学校に行くだなんて変なやつだ……刺客かもしれない!と、先生達に疑われてしまうだろう。

(うーん……やっぱり、今はネネさんと一番関わってるって設定だし……『アイルド学園』がベストかなぁ……)

 ここにきて二日目の時点で、ここまで考えているのはおかしいと思うが、拓にはそんなの関係なかったのだ。

 拓がうーん、と考えているとコンコンとノックされた。拓は、はい、どうぞ、と言い、顔をバッとあげた。すると、入ってきたのはセズラ。ニコッと微笑んでこっちにスタスタ歩いてきた。

「調子はどう?」

「ぜ、絶好調です…!」

「うん、ならよかった」

 セズラはベッドの近くにある椅子にストンと座ってこっちに寄せてきた。拓は、あー!神がまた微笑んできたー!もう今日死んでも……ってダメダメ!、と、一人で盛り上がっていた。

「塾に入るかは置いておいて、今のままじゃ東洋に行けないんだ。だから、しばらくは西洋の学校に通ってもらっていい?」

 セズラはいいえと言わせないような圧を出してきた。何でかはわからないが、拓は放棄することを選んだ。

「は、はい!む、むしろ通わせていただくのが光栄っていうか……」

「うん、じゃあ今からいくつか選ばせてあげるからいいなって思ったら言ってね」

 セズラはどこから持ってきたのか、とても大きいホワイトボードを出してきた。ただ、それは半透明だったので、魔法ということがわかった。次に、セズラは杖を握って文字を書いた。なんて書いてあるか、わからないが、とりあえず話を聞くことにする。

「一つ目がネネさんの通ってる『アイルド学園』。ここはシャデーラ王国で一番バカって言われている学園だよ」

 それ言って大丈夫なの?、と思った拓だが、気にしないようにしつつ、続きを聞く。

「ただ、喧嘩が強いんだ。武器の種類が多くてね、強くなりたい一心ならここを選ぶべきだね」

 ニコニコしながら文字を書く。なんて書いてあるかが本当にわからない。読めて『アイルド学園』の『Isled school』という、英語表記っぽいものオンリーだ。

「次は、カゼアくんの通ってるとこかな?ここら辺で一番頭いい、バランスがいいって言われる『シャル・イースト校』だね。まあ、人数多くて、ここにもカゼアくん以外で一〇人いるからね」

 セズラは先ほどホワイトボードに書いたものを消して、わからない文字を書く。先ほどと同じように『シャル・イースト校』の『Shal・east school』と書かれているのは読めた。それ以外は読めないが……

「はい…」

「ただ、『シャル・イースト校』は上と下の差が大きいんだ。だから、治安はそこそこ悪いよ?」

 拓はゲームでは『シャル・イースト校』に通っていないので知らないため、そこら辺はよくわからない。説明は受けたが、適当にやった。その時はまだハマっていなかったのだ。

「あとは、イリスさんの通う『ソル・ルナ校』……は、最近女子校になったから行けないよ」

「……え?」

 拓がゲームをやっていた時には男女共学であった。しかし、今、セズラは女子校と言った。

(どういうことだ…?『ソル・ルナ校』は男女共学なはずなのに、女子校…?俺の記憶違いか?いや、そんなことないだろ……絶対に間違えていないはずだ。え?てことは、バージョンアップか、別世界ってこと!?)

 拓は笑顔を作りながら考えているつもりだが、傍から見たら、無理やり笑おうとして引き攣りまくっている変人のようだった。

 セズラはそのまま、拓の気なんて知らないかのように、話を続ける。

「まあ、他にも色々あるんだけど、知ってる人がいるほうがいいでしょ?どっちがいい?」

「え……っとー……」

 拓は今ここで決めるの!?と脳内で叫びながらあちこちに視線を向ける。普通の人からしたら拓はこの時点でだいぶ変人だと思うが、セズラはニコニコしながら返答を待つ。

「えっと……」

(ど、どどど、どうすればいいのー!?ネネさんの『アイルド学園』を選ぶか!カゼア様達の『シャル・イースト校』を選ぶか!どっちも行きたいし他のも行きたいけど悩むってー!!!どうしようどうしよう!喧嘩は嫌だけど強いとこに通ったほうがいい気もする(?)し!?かといい『シャル・イースト校』も優秀だし!ど、どどど、どど、どっ、どうしようー!?!?)

 そうやって拓があたふたしていると、更にコンコンとノックされた。セズラがどうぞという前にドアが開いた。

「……おやまあ……先生、新入りですか?」

 入ってきたのは、長い銀髪を後頭部輪っかポニーにしていて、カゼアと同じ臙脂色の瞳の少女。

「おー、アリアさん、実はそうなんだ」

「ふーん……はじめまして、アリア・九十九(つくも)・アリーナっていいます」

 アリア・九十九・アリーナ。身長一六〇cm、体重四六kg、誕生日二月一六日、血液型O型、好きなものは甘いもの、苦手なものは辛いもの。周りからはミステリアスで冷たい人と思われがちだが、実は裏でサポートをしている割と仲間思いな人である。実力主義で、人との線引きがハッキリしている。魔力は多いが、適当に魔法を打っているため、リスペクトの成績ランキングでは下から数えたほうが圧倒的に早い。そして、カゼアと同じく東洋からきた女子である。カゼアとは血縁関係があり、従兄弟だ。

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