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2-4. 問題はそこではない!!

 

 □□□□□□□□


「いやぁ、ごめんごめん。ちょっと気になっちゃって。ついね、うん。探究心ていうのかな。暴走しちやってさ。うんうん。気をつけなきゃいけないんだけどね」


 彼女は僕の指を手当しながらそんなことを言う。


「でもこのナイフはいつも手入れしているしちゃんと熱処理もしてあるからね」


 問題はそこではない。


「そうか。傷は消えないのか」


 いやだから僕のことをなんだと思っているんだ。


「伝説の魔人の可能性を考えたんだけどそうだよね。魔人ていうのは常人よりも多いからこそのその字なわけで。魔力が0なこの子が魔人なわけはないか。修復能力もなしと」


 なるほど。魔人の可能性があったか。この世界において魔力を人並み以上に持ち上級、特級モンスターとの戦闘を単体で可能とする伝説の存在。

 いやそんなことより僕はいま彼女の言葉を聞き漏らすわけにはいかない。

 これ以上不用意に()とするわけにはいかないのだ。


「じゃあ次はちょっとギフトを使ってみて。使った状態で測定器に触って」


 何に対して使えばいいのかわからなかったのでとりあえず今までの仕打ちの仕返しのつもりでティアナさんを持ち上げてみる。


「あはは。いいね。うん。君の魔力値のことはもちろんギフトのことも気になっていたんだ。」


 体が横になるが僕の側には顔が向いているのでワンピースの中身は見えない。というかティアナさんに関しては憧れの綺麗なお姉さんのポジションは一瞬で陥落したのでスカートの中身は気にならない。


「出来れば測定器をよく見たいのでもう少し近づけてほしい」


 リクエスト通りに測定器が見やすい位置に移動させる。


「やはり魔力値は0か。ギフトを使っているときだけ変動する可能性もなし、と」


 彼女は夢中になっていて下ろしてくれとか一切言わず宙に浮いたままメモを取る。

 仕返しのつもりだったのに気にも留めないどころか

 喜んだ彼女にいたたまれなくなり床に下ろす。


「じゃあ次は手を貸して」


「嫌です」


「あー、大丈夫大丈夫。もう指は切らないから」


 そう言われて恐る恐る右手を出す。

 僕の右手を彼女の左手が握る。


「この状態でもう1回触ってみて」


 そう言われて魔力値測定器を触ってみる。

 もう何度も見た光景が起こるだけである。

 ティアナさんは片手でメモをしている。


「もういいよ」


 メモをし終わったあと今度はティアナさんが触れる。


 すると。


 そこには僕が何度も見た光景が繰り広げられていた。

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