21. 僕の勘違い!!
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「ただいま、ママ」
宿屋の1階にあるカフェレストランに入って行くとヒューイットは店にいた接客業特有の板についた朗らかな笑顔をした女性に言う。
「帰ってくるなら連絡くらい寄越しなさい!!ヒューイ」
そう言いながらも優しく抱擁する。
「あの、ただいまです。リーゼロッテさん」
おずおずとポルトが言う。
「ポルトもおかえり」
ポルトとも抱擁する。
「ちょっと待ってて。いまピピを呼んでくる」
そう言われて待っているとふくよかでポルトに似ている女性がやってきた。
「ポルトおかえり。坊ちゃんもおかえりなさい」
2人まとめて腕の中に収まった。
僕はヒューイットのことを中流貴族だと思っていたけれど、確かにこの家にならパティシエもシェフもいそうだ。
それにこの規模の宿屋を王都で経営しているならもしかしたら中流貴族よりも内情は豊かかもしれない。
そしてそもそもヒューイットは1度も貴族出身だなんて言っていない。僕の勘違いだったのだ。
「初めまして、僕は学園でヒューイットとポルトと仲良くなったグリームです。僕たちクラスメイトなんです」
続いてスタンツも挨拶する。
「同じくスタンツです。今日はヒューイットのお言葉に甘えてお邪魔します」
「あら、丁寧な挨拶ありがとう。ヒューイットの母のリーゼロッテです」
「ポルトの母のピピだよ。息子と仲良くしてくれてありがとね」
「今日は何でも好きな物食べていってね。息子たちがいつもお世話になっている感謝を込めてオバさんの奢りだから」
「よし、あたしが腕を奮いますか。じゃあ厨房に戻るね」
ポルトのお母さんはとても豪快な雰囲気の持ち主だった。
「ピピが作るお菓子は美味しいから」
パティシエとはポルトのお母さんのことだった。
そして宣言通りヒューイットのお母さんは笑顔で見ているだけだった。会計をしたり来店客の案内はしたりするもののカウンター越しに厨房を笑顔で見ている時間がある。
ただ彼女がそこにいるだけで場が華やぐそんな雰囲気の持ち主だった。
ヒューイットが言っていたパパに言いつけてやるという言葉も気にはなるものの僕が勝手に誤解しただけなんだろう。




