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20. 憧れ、素敵な響き!!

 

 □□□□□□□□


 女の子たちにはできるだけ優しく愛すべき妹だと思って接するようになってようやく学園生活がスムーズに行くようになった。クラスメイトの名前も覚えたし魔法の授業も上手くやれている。何の問題も起きず僕は学園生活を満喫していた。


 学園生活始まって1ヶ月、初めての3連休。初等部の学生は外出許可をもらって王都に出たり近場の子は家に帰る子も多いらしい。

 僕らも例に漏れず外出を計画していた。


「今度の休みの日は街に遊び行こうぜ。オレ田舎育ちだしグリムもそうなんだろ?街の見学へ行こう」


 同い年が周りにいなかったという発言によりスタンツは僕が田舎出身だと思ったらしい。あえて訂正はしない。


「ヒューイットたちも誘って4人で行こうか?」


「うん、そうだね」



 □□□□□□□□


 アズール学園があるアズニエル王国王都アーノルン。



 僕らはアーノルンに4人でやってきた。

 ヒューイットとポルトはアーノルン出身らしい。


「ぼくとヒューイットはここで育ってるから案内できるよ。買い物に行きたいなら商店街に行けばいいし、遊びたいなら娯楽街もある。ちゃんとぼくらが入れるお店だよ。公園に行ったら魔法を使った大道芸とかやってるかも」


「ボクの家においでよ。パティシエがいて美味しいお菓子が食べられるよ」


 ヒューイットの物言いは以前と変わらないがちっともイヤな感じがしない。

 彼との関係性が変わったせいもあるのかもしれない。

 以前の彼はちょっとだけ攻撃的だったしね。


「ヒューイットの家、僕行きたい!!」


 友達の家にお呼ばれやっぱり素敵な響き。

 いままで友達すらいなかったのだ。友達の家にお呼ばれは憧れのまた憧れだった。


 それにお店には今度1人でも行けるけどヒューイットの家には1人じゃ行けない。


「うん、オレもヒューイットの家は気になるな」


 ニシシと笑う。


「もちろんぼくもそれでいいよ。その後も色々廻れるしね」


「じゃあ決定だ。着いてきて」


 学園から歩いて15分ほど。

 途中住宅街を抜け広場を通ってやってきたのは商店街だった。住宅街と言っても貴族街なので1軒1軒が大きく舗装された石畳を何度も馬車が通った。


「あれ?ヒューイットの家に行くんだと思ってたけど…」


「ボクの家はこの先にちゃんとあるよ」


「あ、そうなんだ」


 アーノルンでは中心部に王城がありアズール学園がある。上流貴族は王城内部の居住区に部屋を持っている家もあるがほとんどが城下町に住んでいる。貴族の居住区とは別に王城敷地内に五大家の家もある。王城中央に住むのが現王家である。

 僕の家族は領地に母と妹たちが王城に父が住んでいる。


 アーノルン中心部に近ければ近いところに住んでいるほど上流貴族の証である。

 僕はてっきり広場を過ぎる頃にはヒューイットの家に着くと思っていた。


「着いたよ、ここがボクの家だ」


 案内されたのは商店街の端にある4階建ての大きな宿屋だった。それは僕らの寮よりも大きい建物だった。


 木造建てでとても親しみやすい空気の出ている街の宿屋だ。1階には宿泊利用者以外も利用できるカフェレストランがあった。

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