19. 人間関係は鏡だよ!!
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「今日は一体どうしたんだ?」
本日の授業も終わり寮の部屋に戻ってきて一息ついたときのことである。
「何が?」
「なんだか皆に愛想振りまいてた気がして」
ああ。そのことか。
僕も色々考えたのだ。
人間力アップの方法を。
人間力アップそれすなわち人に好かれることなのではないか。
それに人間、好意を向ける人物に対してそう冷たくできないと踏んだのだ。人間的に魅力があるからこそ好かれるわけだし。
人間関係は鏡だというからね。
まずは僕から敵ではないことを示さなければ。
「僕この学園に来るまで同い年って周りにいなかったし友達がいなかったんだ。今日サリに詰め寄られたことにより対人関係スキルの低さに気づいて好かれるためにはどうすればいいか考えてみたの。スタンツが助けてくれそうだったけどそれじゃダメでしょ?だから人に優しくをモットーに頑張ります」
「あ、あぁ。そうだな。うん、まぁそれならいいんじゃないか」
何かを言い淀んでいるような気がする。
「僕何かダメだった?」
「ん、いや同い年の友達がいなかったわりには何だか、えーと…うん、スキンシップが得意そうだなと思って」
とても言葉を選んだという感じでスタンツが言う。
「妹たちに接するように接してみたんだ。僕友達はいなかったけど幼なじみの女の子にはあんな感じに接していて問題なかったし」
「そっか、それがグリムの人との接し方ってことだもんな。上手くいくといいな」
はー、やっぱりスタンツは優しいなぁ。