表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/23

第20話 罪

繰り返される激痛。

そして、すぐに癒える体。


生きながら何度も“壊される”恐怖に、

いじめっ子たちは完全に戦意を失っていた。


涙を流し、震え、もはや声すら出せない。


そんな彼らに、怜音はゆっくりと近づいた。







「……治してやる」


怜音の手が静かに光る。


【ヒール】――ただの回復魔法。


今の彼の魔力なら、骨折も内臓損傷も、一瞬で元通りになる。


全員の身体から、痛みが消えていった。







「次はない」


静かに、けれどはっきりと、怜音は言った。


「……この力を、誰かを傷つけるためにしか知らない奴らに、容赦はしない」


「お前たちは今、運が良かっただけだ。

 この程度で済んだのは――今日が“警告”だからだ」






いじめっ子たちは、

お互いに支え合いながら、這うようにその場から逃げていった。


一度も後ろを振り返ることなく。


まるで“人間”ではない何かを見たように、怯えながら。







怜音は静かにその場に膝をついた。


「……やっぱり、向いてないな。こういうの」


苦笑しながら、拳を握り締める。


自分の中にある“魔法使い”としての正義感と、

現代人としての倫理観が、まだ衝突していた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ