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空想に憧れる人の話
海の中は、とても静かで、綺麗な魚さんたちがひらひらと泳いでいて。
水はひんやりしていて、だけど冷たすぎるわけじゃなくて、気持ちが良いの。
だけど、私は陸に上がってみたいの。
だって、海の上の方へと上がっていくと、
キラキラと明るい光が差し込んでいて、
見ているだけで、とても温かい気持ちになれるの。
それに、海からだとあまりよく見えないけれど、
鳥っていう動物の足が、ぴょこぴょこって泳いでいるのが見えたかと思うと、
ずっと上の方まで行っちゃったりして。
あとは、海の上の方を泳いでいると、
綺麗な歌声が聞こえてくるの。
きっと、陸の上にいる何かが、歌を歌っているんだと思うんだけど、
まだその姿は、見たことがないんだ。
「とても、ロマンチックなお話だと思いませんか?」
本日のお客様は、うっとりとした様子でそう私に言ったが、
私にはまるで理解が出来ない。
きっと、この人の周りにいる人たちも、ついていけないのだろう。
空想に浸るのは結構だけど、あくまで現実とは違うものだってことを、
ちゃんと心得ておかないと、ただただ自分が苦しくなるだけなのよ。




