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思わせぶりな人の話
「どうして男って、何の努力もしないで、
自分のことを選んでもらえると、思っているのかしら?」
本日のお客様は、ラメがたっぷり乗った瞼を、パチパチとさせながら、
頭をクネクネさせながら、こうおっしゃられた。
「どうして、そんなに簡単にさあ。
人に、女の子に、好いてもらえてるって思えるのかなあ。」
明らかに、作られた人工色のピンクのリップ、
真っ白すぎる肌に、尖ったネイル、
作り上げられすぎている外見に、
つい気がとられてしまって、あまり、話が入ってこない。
すると、お客様は口をしぼませて、
艶々とした髪の毛先を、指先でクルクルと遊ばせながら、
本題へと入っていった。
「こっちは、あくまで商売なのにねえ。
接客が仕事で、金落とさせるために、ニコニコ丁寧にしているだけで、
勝手に、脈ありだって勘違いしてさあ。」
そこまで言って、お客様はいら立ちを露わにして、
「マジで無理すぎ!
ちゃんと、現実見ろよって話なのよ。
自分のどこに、そんな自信持ててんの?」
と、吐き捨てるように言った。
まあ、気持ちは分からなくもないけど、
それは、貴方が思わせぶりな態度で、お客様と接しているのも、
一因となっているのではないのかしら?




