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おめかしをした人の話
本日のお客様は、綺麗なミニドレスを着て、
ヘアメイクも丁寧にされていた。
だけど、表情が曇っていて、若干、
怒りも混じっているように見えた。
「本日は、どうされましたか?」
あくまで話の聞き役に徹するため、落ち着いたトーンで問いかけてみる。
すると、今日は友人の結婚式があり、
わざわざ手間をかけておめかしまでして、出席はしたものの、
急に、人の結婚を祝わされている、
自分自身の存在に嫌気がさしてしまったのだそう。
「折角の友だちの晴れ舞台なのに、
私なんで祝儀を渡して、おめかししてわき役に徹して、
ニコニコ笑っていないといけないの?
って、そんなことばっかり考えちゃって。」
お客様は、不満そうにため息をつく。
人なんて、心のうちでは何を考えようが自由だし、
誰にも知られることじゃないのに、
素直で正直な人って、苦労するわよね。




