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おつかいに出てきた人の話
本日のお客様。
ニコニコした様子で入って来られたけれど、
その手には、お買い物バッグと、小さなメモのようなものを持っていた。
「本日は、どうされました?」
一応尋ねてみると、まあやはり、おつかいを頼まれて出てきたらしい。
「早く戻らなくて、大丈夫なんですか?」
声は掛けてみたが、お客様はケラケラと笑っている。
話を聞いていくと、この人のお母様は、
いつも、おつかいを頼むふりをして、この人を家から遠ざけるのだそう。
「早く帰りすぎると、機嫌が悪いから、
こうやっていつも、どこかで時間をつぶしてから帰るんです。」
あー、可哀そうに。
この人は、そんなことを平然と言っていて、
もう、こういった環境に慣れざるを得なかったのだろう。
この人のニコニコとした笑顔は、
妙に気味が悪くて、仕方がないわ。




