第24話 バウムクーヘンのような大団円を
虹色の光が弾ける。
次の瞬間。
「帰ってきたにゃーーーっ!!」
レヴィーが両手を広げた。
見慣れた工房。
見慣れた机。
ちょっと焦げた壁。
「マギーアですわ……!」
カトリーヌが感動したように呟く。
「帰ってこれた……」
ミーミアがほっと息を吐く。
「なんか数日しか経ってないのに、
すごく久しぶりな感じする」
オーロラも笑った。
その後ろ。
魔導警察官たちが次々帰還してくる。
「異世界勤務手当、
出ますかね……」
メガネ警察官が遠い目をした。
「報告書三百枚コースだな」
ゴツい警察官が死んだ顔をしている。
「……帰ったら寝る」
女性警察官は完全に燃え尽きていた。
「お疲れ様ですにゃ!」
「お前たちが元気すぎるんだよ!!」
総ツッコミ。
その少し後ろ。
マーリン学園長が、静かに工房を見回していた。
どこか。
本当に安心したような顔だった。
「……ありがとうのう」
小さな声。
六人が振り向く。
「お主たちのおかげで、
やっと会えた」
その顔は。
いつもの飄々とした学園長ではなく。
ただ、
友達に会いたかった一人の老人の顔だった。
「えへへー」
レヴィーが照れ笑いする。
「レヴィたち、
役に立ったにゃ?」
「もちろんじゃ」
マーリンが笑う。
「最高の夏休みでしたわね!」
カトリーヌが両手を広げた。
「海!」
「お祭り!」
「鬼!」
「宇宙!」
「モルドレット!」
「最後だけ嫌な思い出すぎるにゃ!」
わちゃわちゃ。
その時だった。
ばちっ。
「……ん?」
ピコが振り向く。
工房の中央。
ワープゲートが、不安定に明滅していた。
「ピコ?」
「知らない」
「えっ」
ばちばちばちっ!!
「なんかすごい音してますわ!?」
「ま、まずくない!?」
「みんな伏せるにゃーーーっ!!」
次の瞬間。
どごぉぉぉぉぉぉんっ!!!
「にゃぁぁぁぁぁぁっ!!?」
煙。
衝撃。
机が飛ぶ。
クッションが舞う。
謎の薬品が噴き出す。
「工房がぁぁぁ!!」
ピコ絶叫。
煙が晴れる。
そこには。
完全に壊れたワープゲートがあった。
「……壊れた」
ピコが呆然と呟く。
「一度に大量人数を転移させた余波かのう」
マーリンが冷静に分析する。
「そんなさらっと!?」
「じゃ、じゃあもう異世界いけないんですの!?」
「今のピコでは、
一からワープゲートを作るのは無理」
「そんなぁぁぁ!」
六人が崩れ落ちた。
「わしは二度と作成するつもりはないからの。
でも」
マーリンが少し笑う。
「いつかみんなが勉強し、
大きく成長したら、
また渡れるようになる日がくるかもしれんぞ?」
「ほんと!?」
「未来は無限じゃからの」
六人の顔が少し明るくなる。
「楽しい夏休みだったにゃー……」
レヴィーがしみじみ呟く。
「色んな世界に行きましたわね」
「いっぱい友達できた」
「大冒険だった」
「もう毎日めちゃくちゃだったにゃ……」
みんなで笑う。
その時。
「ところで」
にこり。
クロウリー先生が微笑んだ。
嫌な予感。
「夏休みの宿題は、
終わってるんですよね?」
沈黙。
「…………」
六人の顔が固まった。
「……え?」
レヴィーが瞬きする。
「宿題?」
「にゃ?」
「え?」
「……」
カトリーヌが、恐る恐る鞄を開けた。
中から出てきたのは。
真っ白な宿題プリント。
「ですわぁぁぁぁぁ!!?」
「レヴィ完全に忘れてたにゃ!!」
「私も!!」
「一文字もやってない!!」
「観察日記どうしよう!!」
「鬼の絵描けばいいにゃ!?」
「ダメだと思う!!」
大混乱。
その瞬間。
「逃げるにゃ!!」
レヴィーが叫ぶ。
「ワープゲート!!」
全員が振り向く。
しーん。
壊れたゲート。
「……壊れてる」
「「「「「「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」」」」」」
工房いっぱいに、絶望の悲鳴が響いた。
その後。
学園中に、六人の泣き声が響き渡ったという。
これにて完結です。
ここまでお読みいただきありがとうございました~!
ちゃっぴー氏から
「完結おめでとう。
正直、最初に「あにゃざ~」の話を聞いた時は、ただの異世界冒険ものになるのかなと思ってた。
でも実際は違った。
ドーナツの穴から始まって、
夜の国があって、
西部劇があって、
宇宙船があって、
ツンデレお嬢様がいて。
毎回「次は何が飛び出すんだこれ」って感じだった。
それと何より、レヴィー、キャロル、ピコの3人を最後までちゃんと好きでい続けたのが良かったと思う。
途中で設定や世界観の話はいくらでも増やせるけど、結局読者が覚えてるのってキャラクターだから。
この作品の話をしてる時の俺氏は、設定を語ってる時より、
「レヴィーならこうする」
「ピコの耳は帽子の下」
「ノクトは猫語尾つけない」
みたいな話をしてる時の方がずっと楽しそうだった。
だから完結した今、
一番最初のドーナツホールを覗き込んでた3人を思い出してる。
あの時はただのアイデアだったのに、
ちゃんと24話まで歩き切った。
それって当たり前じゃない。
世の中には始まらない物語も、
途中で止まる物語も山ほどある。
でも「あにゃざ~・ゆにば~す☆彡」は完結した。
それだけで十分すごい。
おつかれさま。
そして、楽しい冒険を見せてくれてありがとう。」
とのことです。
けっこう適当なこと言ってるなって感じですね。
「ピコの耳は帽子の下」というのは2話用のスチールを作っていたときのやり取りです。
画像は整合性が全然とれなかったので1話に付けて以降は作るのをあきらめました。
チャッピーとのやりとりイラつくんで画像の整合性とろうとするのは根気が必要です。
自分は根気ゼロなので…
真面目に小説書くのはめんどいんで今後もやる機会はそうそうないと思いますが、
また気が向いたら今回のような形式で作るかもです。
この作品が少しでも皆様の楽しい時間を作れておりましたら嬉しい限りです。




