付喪神
今日も店番をしていると、カチャカチャと音がした。
お客様かなと思ったけど、誰もいない。
「おーい、ここだよ」
足元を見ると、茶道で使うような湯飲みがいた。
「茶器の付喪神だね」
「ああ、古い道具に魂が宿った妖怪のことですね」
「そうさ」
茶器だけど、この人もお客様だ。
「いらっしゃいませ」
「よう、こんばんは」
「はい、こんばんは」
「ちょっと見させてもらうよ」
茶器はカチャカチャと音を立てながら移動する。
「おーい、そこの本を取ってくれ」
俺は太宰治の『走れメロス』を茶器の目の前に出す。
「そう、それだ」
茶器は息を吹きかけて頁をめくった。
手がないのに、口があるのが不思議だ。
「メロスの走っている場面がいいね。これを買っていくよ」
いつの間にか茶器の内側の部分に小銭が湧いていて、それを受け取った。
今日も店番をしていると、カチャカチャと音がした。
お客様かなと思ったけど、誰もいない。
「おーい、ここだよ」
足元を見ると、茶道で使うような湯飲みがいた。
「茶器の付喪神だね」
「ああ、古い道具に魂が宿った妖怪のことですね」
「そうさ」
茶器だけど、この人もお客様だ。
「いらっしゃいませ」
「よう、こんばんは」
「はい、こんばんは」
「ちょっと見させてもらうよ」
茶器はカチャカチャと音を立てながら移動する。
「おーい、そこの本を取ってくれ」
俺は太宰治の『走れメロス』を茶器の目の前に出す。
「そう、それだ」
茶器は息を吹きかけて頁をめくった。
手がないのに、口があるのが不思議だ。
「メロスの走っている場面がいいね。これを買っていくよ」
いつの間にか茶器の内側の部分に小銭が湧いていて、それを受け取った。
「ありがとうございました」
茶器は口縁の上に本を乗せて、持って帰った。
「ありがとうございました」
茶器は口縁の上に本を乗せて、持って帰った。
編集
作者は刀の付喪神が好きです。




