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「R15って、どこまでせめていいの?」って聞くだけのBLコメディ【本編☆10話☆完結まで執筆済】  作者: かみながあき


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9/9

Battle.09 「立て看板があれば大丈夫って聞いたよ?」

【 ※フィクションです 】

 

 

 暦としては秋を迎えそうな今日この頃。

 うだるような暑さは幾分か鳴りをひそめ、そこに見出すのは過ぎ去りし季節への侘しさか、はたまた訪れる季節への期待感なのか。

 

 そのような風情を持ち合わせることも、ヒト族にのみ許された特権であると、崩壊勢力の面々も可及的速やかに自覚をするとよいものだ。

 

 ガチャリとノブの回る音がして。

 上級職に与えられたハイランクな個室の、とある設備の部屋の扉が開かれると同時に、観測者にのみ視認される特殊な【看板】が現れた。


 

【ハートマーク♡ は、音符のようなものです♡】

 

 

「あっ……♡ 待って、ブレイド……っ、一度降ろして……♡」

 

「なんでだよ? 【抱きかかえ】たまま移動した方が、お前も【ラク】だろ?」

 

 軽々とイージスを抱えたまま、ブレイドが寝具に近づく。

 

「ん♡ んん……♡ あぁ……っ♡」

 

 

【ハートマーク♡ は、音符のようなものです♡】

 

 歩くたび揺れるのに合わせて、イージスが小刻みにハミングのようなものを漏らす。

 おそらく、きっと、音符が見当たらないのでハートマーク♡で代用するしかないようだ。

 

「よっ、と」

 

「ああ【只今ロングトーンの発声中】っ♡♡」

 

 ブレイドがベッドに腰掛けて、ええと、まあなんかアレな感じでアレすると、イージスの発声練習もひときわ熱を帯びて、どこか白熱した雰囲気(変換できます)になる室内。

 寝具の上でシング(sing)しているイージス(緑ナス)と、指揮者のように発声を促すブレイド(赤ナス)

 

 そう……ここは。

 

【ナスたちの音楽ホールです(茄子の絵文字)♡】

 

「あー……すげ。好きすぎて、むりだ……っ!」

 

「んっ【ハイトーンハミング中】……♡」

 

「なあ……結婚しよ? たぶん出来んだろ。一生大事にするからさぁ……」

 

 ボイストレーニングに勤しむイージスに、唐突なプロポーズをぶち込む赤ナスビ先生。

 

 ディヴォさながらに、歌に乗せて返事をするイージスだったが、独特の節が表現しづらいゆえに、この先は適宜テロップに変えさせて頂こう。

※用語解説1:ディヴォとは歌姫をあらわすDIVAディーバの男性形、DIVOのことである。

 

「【バカなこと言うな(要約)】」

 

「バカってなんだよ……! 本気だぜ? 法……? がどうとかは知らねーけど、愛し合ってるのに結婚出来ねえほうがおかしくねぇか?」

 

 ……あまりにもストレートで重い愛の告白に、世界の理念とベッ……歌唱ステージが激しく軋んで悲鳴を上げる。

 オンステージの真っ最中でさえなければ、ともすれば追い風を吹かせてやりたくなるような、純粋な熱量に思えた。

 

「【熱唱とブレス】そんなのっ……♡ 知らな、んっ……ばかぁぁ……♡」

 

 ※用語解説2:ブレスとは、声楽や管楽器における"息つぎ(呼吸)"のことである。

 

 本心では求婚を受け入れてしまいたいのであろうイージスは、音符の代替品をふんだんに撒き散らしながら、歌をうたう。

 いつまでもツンデレの挙動に詳しくならない赤ナスビ先生は、そんな素直じゃない返答に痺れを切らして、どこか既視感のあるフレーズを大真面目に叫んだ。

 

「知らないって、なんなんだよ。じゃあお前は……結婚すんのか、オレ以外のヤツと……!」

 

 脳筋マエストロの逆鱗に触れたイージスは、ハイテンポでテクニカルな歌唱を要求され、必死にそれに応えた。

 が、あまりにも歌詞が聞き取りづらいので、テロップ表示に変えさせて頂く。

 

「【わかった、結婚しよう。ただし国王の許可が下りれば(要約)】……っ♡」

 

「っしゃ! 任せろよ、許可でもなんでも、ぜってぇもぎ取ってきてやるから。 あとから『やっぱナシ』なんて許さねーからな? ちゃんと覚えとけよ……!」

 

「【お前より記憶力が悪いわけがない。承知した(要約)】」

 

 イージスは『お前』とは言わないだろう、ですか?

 失礼いたしました、少々意訳が過ぎたようで。

 

「あああっ! がぜん燃えてきたぜ……!」

 

「【クレッシェンドなスタッカートを忠実に再現】」

 

 ※用語解説(放棄):"クレッシェンド"および"スタッカート"については、各自での検索を推奨。

 

 再びハイトーンで長くビブラートを効かせたイージスと、オラついた指揮とともに低い呻き声をもらした赤ナスビ先生。

 閉幕に向けて、盛り上がりのピークを過ぎた歌唱指導オン・ザ・ステージは。

 演者と指揮者の息遣いが整うまで、特有の熱気に満ちていたのだが、当方としてはアンコールだけは断じて認めない。

 

「なあイージス……。【トレーニングを続けるか】?」

 

「え…………。むり……っ、ふ……。もう限界だよぉ……」

 

 ストーリーとしても、プロポーズが成立して大団円なので、これ以上の観測は野暮というもの。

 この度は『ナスたちの愉快な公開歌唱トレーニング』の場にお越し下さいまして、誠にありがとうございました。

 

 次回の観測予定日にまたお会いしましょう。

 

 さようなら。

 さようなら。

 さようなら。

 

 

【 ※音符が見当たらないばかりにご迷惑をおかけいたしました。 】

 

 

__

 

 地の文あらためログです。

 名前は覚えて頂かなくて結構です。

 

 本日はおナスの発表会を見守っていただきありがとうございました。

 秋も近付いてまいりましたので、芸術の秋……音楽の秋を先取りということで、どうかひとつ丸くお納めください。

 

 また、確定勝ち演出かと思われた【看板およびテロップ】ですが、予算の兼ね合いにより、今回のような大盤振る舞いな使用は不可能となりましたことをご報告いたします。

 残りわずかな星(★彡)を【看板およびテロップ】の資材費に充てた当方の策は、決して失策ではなかった。

 とだけ。

 

 それでは結びに、自信作であるテンプレートを設置してご挨拶に変えさせて頂きます。

 

 

 皆様より賜りました星(★彡)のお陰で、本日も世界に秩序が保たれたことを、心より御礼申し上げます。

 

 上記の感謝声明に覚えのない方は、ぜひ次弾の為の募星活動にご協力ください。

 

 つきましては、お手元の│支援する《評価ボタン》というフォームに触れていただき、観測者様の"お気持ち"を表現してもらえると、世界が大変助かります。

 

【あなたの星(★彡)で救える世界があります】

 

【▼この度の公演がお気に召した方は、おひねりを】

 

 

__

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