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「とりあえず褒章は後で考えます。いろいろと相談もしたいですし」
「そ、そうじゃな」
ミレナパウスさんの言葉に人魚の女王様は納得してくれたみたいだ。まあ褒美は後でもどうにでもできるからね。今は一刻も早く、自分たちの問題をどうにかできるかもしれないっていう、そっちに期待があるんだろう。
最初にやったときは大変なことになった。いや、厳密にいうと大変なことには今もなってるんだけどね。G-01とリファーちゃんの力で直接あの扉から流れ出てる膨大なサンクチュアリのエネルギー、それをユグドラシルドライブへと送ることで問題をなくしてるだけだ。
『ミレナパウス』
「はい」
私の声で彼女は扉の前に立つ。そしてその手を扉に触れそうなぎりぎりに持っていき、そこで魔方陣を出した。けど彼女の役目はここまでだ。まあミレナパウスさんもできるとは思う。彼女は勉強熱心だし、時間をかければ世界の違う言語とかだって理解できる頭あるよね。
まあこれはさらに専門的というか? それこそ魔術的なこの世界独自の文字が使われてるけど……でもミレナパウスさんだって今や魔法のスペシャリストといっていい。私の……というかG-01のなかにある様々な魔法の知識を与えてるからね。
まあ私的には一緒に勉強しようね……っていう軽い気持ちではあった。でもそんな気は今はない。だって……ね。私とミレナパウスさんでは学習ペースが違うのだ。言っとくけど、それは私が不甲斐なさ過ぎてミレナパウスさんに追いつかれるのが怖くなったから……とかではない。ないったらない。
そうじゃなく、ほら……私ってG-01の情報ってもうインストールされてあるっていうか? そういう感じじゃん。そうじゃなくも、脳が拡張されてるから、やっぱり理解する速度ってかなり速いのだ。
一人でG-01のマニュアルを延々と読み込んでた時は全くそんなことは気づかなかった。むしろ途方もなくても絶望感すらあった。私ってマニュアルを読むだけでどれだけかかるんだよってね。
でもそうじゃなかったらしい。どうやら私の頭は超優秀になってるようだ。そもそも私って一回見たら覚えるからね。理解できるかは別だけど、私の頭は忘れるってことがない。それはメリットでもあるけど、デメリットでもあるとは思う。常にバックアップをG-01がとってるのかもしれない。
人には忘れるってことがある。覚えられないってこともある。私はそれをすっかりと忘れてたよ。一緒に学んでいこうと思っても、私は普通ではないのだ。だから結局のところ何かミレナパウスさんと一緒にやれるってことはない。
この扉の術式だってそうだ。私がすでに解析してる。まあG-01の機能がとても優秀だったわけだけど……でもそれを使うのも私。これは私の実力ではなかろうか? 一応ちゃんと理解もしてるからね。そこまで最新の術式ってわけじゃないし……てかどっちかというと? G-01からしたらこの扉の理論は古臭いとしか言いようがない。原始的……といってもいいかもしれない。
まあ世界を股にかけるG-01側から見たら、一つの世界の狭いコミュニティの中の文明なんてそんなものなのは当然だけどね。なのでここからはミレナパウスさんがしてるように見せかけて私が主導する。




